嘘つきの恋 (ページ11)

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第9話ページ11

私は自分の席に戻り

会社の終わる時間を楽しみにしていた

昨日の今日でお酒を飲むのもな～と考えつつも

楽しみなのはかわりがないので

パソコンの電源をつけ明日の分の書類を作成する

あれ

そう言えば…

私はデスクの周りを見渡した

やば…給湯室にマグカップ置きっぱ

私はそう思い席を立とうとした時

「もしかしてマグカップ取りに行くところだった？？」

そう言いながら私のデスクにコーヒー入のマグカップを置く

『弟者…』

そこには今さっき完成したと思える書類を持っている弟者がいた

「さっき話した時マグカップ持ってたし…もしかしてと思って。ビンゴだった？？」

＿＿＿＿ﾄﾞｷ

微笑む弟者がいつにも増してかっこよく見えたり

あ、ほんとにゾッコンだなと自覚する

『取りに行く手間省けた…ありがとう』

素直にお礼を言う

「…!!…うん!!どういたしまして!!!」

さっきよりもいい笑顔でどういたしましてという弟者

なんでそんなに元気がいいんだ

私は少し疑問に思いながらも

不安だったことを聞いてみた

『私…さっき結構キツい言い方したと思うけど。なんでそんな普通でいられるの』

今の言い方もどうかと思うけど

でも弟者には直球でいかないとダメだと長年で気づいた

え？という顔をしてからしばらく考え

「…だって、Aの言ってることは正論だし？あ、」

強いて言えばといいながらつづけた言葉に私は愕然とした

だって

「Aから…話しかけてくれたから…かな」

…ﾄﾞｷｯ

ﾄﾞｷ

やめてよ…

期待させるような

惑わせるようなこと言わないでよ

好きでもないくせに

そんな一方的な気持ちにさせるの

そんな心とは裏腹に

どんどん私の顔は赤に染まっていく

『…ｯそんな私が話しかけるなんて…普通にあるでしょ…』

弟者のことを直視出来なくなり目をそらしながら言ってしまう

心とは…本心とは裏腹なこと

なんで素直になれないんだろ