【A3!】おふざけ禁止。 (ページ10)

今日:11 hit、昨日:5 hit、合計:276,751 hit

おふざけ-10 ページ10

．

「そーいやーお前髪伸びたな」

「そう？」

「うーん」

「どっちよ」

私の髪の毛を指に巻き付けて遊んでいる。
私は逆に至さんの前髪を纏めて可愛い
ちょんまげにして遊んだ。
…そういえばけっこう前に私…。

．

『天馬って女の子はロングとショート
どっちが好きなの？』

『あ？…そーだな…やっぱロングかな』

『……ふーん』

その時はまだショートカットだった私は、
面白くない回答だったので
自分の髪を弄って遊んだ。

『ま、Aはショートの方が
似合ってると思うぜ』

『え…』

ドキッと胸が高なった。

『ま！男みたいだけどな！！』

あの時はカチーンときて天馬を思いっきり殴ったけ…。あれから少しでも女の子として見てもらいたくて髪を伸ばしてみたけど。
少しは見てもらえてるのかな？

「……ねぇ、至さん」

「ん？」

「私、女の子に見える？」

「…さぁー？それ聞いてどうすんの？」

「……気になったから」

「俺に見れられてたとしても天馬に見られてなかったら意味無いじゃん」

「そーだよね…」

「……」

「わっ」

急に腕を引かれて私は至さんの胸の中に
倒れ込むように抱きついた。
…いい香りがする。
なんの香水の匂いだろ。

「…急になんですか至さん」

「べつに…お前が泣きそうだったから
胸貸してやってるだけだから」

「泣きそうじゃないし…っていうか苦しい」

私がそういうと余計に至さんは
私の頭を自分の胸に強く押し当てて
強く強く抱きしめてきた。

「AはAらしく
ガンガンに攻めて相手を落とせよ」

「うん…」

「それがお前らしくってこと…分かった？」

「ありがとう…至さん」

至さんの優しい言葉に少し涙を滲んできて、
それを画すように至さんの胸に顔を埋めた。

「……っ」

．