【A3!】おふざけ禁止。 (ページ3)

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おふざけ-03 ページ3

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「…あー！！やっぱり忘れて！！」

「え、」

「なかったことにして」

「いや、…無理だろ」

「役者なんだから記憶の一つぐらい消しなさいよ」

「役者は関係ねぇし！！」と天馬は声を荒らげて
私に訴えた。いや、確かに自分でも思ったよ？
役者は関係ないよねーって。
でも照れくさくって恥ずかしくて本当は
サッサとこんなところ立ち去りたかった。

だけど天馬に逃げた…。なんて思われたくない
一心で平気な顔をして今、一生懸命に天馬に
話しかけている。

自分を褒めてあげたいよ。

……本当に。

「いっそのこと屋上から飛び降りよう！
頭を強く打てば記憶が飛ぶっていうし」

「その前に俺が死ぬわ！！」

「大丈夫、天馬なら大丈夫だから」

「その自信はどっからくるんだー？あ"ー？」

「私のカンはよく当たるから」

ほれほれほれと天馬の身体を押し、
屋上の端の方に追いやると
「分かった！分かった！」と私の両腕を掴んだ。
不覚にもドキッと小さく胸が高鳴った。

「わ、忘れるように努力はする！」

「……は？」

「そんなに簡単には忘れられないが、
頑張って1週間…いや！3日で忘れるから！」

「……あはははっ！！」

"どうか屋上から落とさないでくれ！"と必死に
悲願してくる天馬にとうとうツボってしまい、
私はお腹を抱えて笑った。

…まさか本気にするとは。

……本当にからかいがいがあるよ。

「冗談だよばーか！」

「よかった…冗談か」

「そんぐらい小学生でも分かるよ」

「いや！お前の目は本気(マジ)だった！」

「そういえば天馬、授業は？」

「人の話を聞けよ！！」と人差し指をビシッと
私に向けて言うと、疲れたのかダラーんと
屋上の床に座り込んでしまった。
"大丈夫ですかー？"とツンツンしながら言うと
"やめろ"と力なく言われ手を払われた。

やることが無くなった私はゆっくりと
天馬の隣に座り空を眺めた。

「……返事」

「は？」

「今は要らないから」

パンパンとスカートを払い、もう1度天馬の方を向き
ニコリと笑いかけて私は屋上から出ていった。

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