4話 ヒーローじゃない ページ5
「こんなんじゃ･･･暴走サイボーグと何も変わらない･･･俺は･･･暴走サイボーグそのものだ･･･」
ジェノスくんの声が震えている。
心のほうは全然大丈夫じゃなかった。
「協会もそれが狙いで君を利用している。今じゃ君の暴走がこの国を救っているのと同じなんだから」
「そ････」
そんな言い方は･･･ないんじゃないかな。
と、言おうとして我慢する。
アマイマスクさんの顔も苦しそうな、傷ついたような、そんな辛い顔だったから。
ジェノスくんもアマイマスクさんも、みんな心がボロボロだ。
「僕たちはもうかつてのヒーローじゃない。
悪を制裁する正義ではなくなってしまったんだ。
綺麗ごとばっかりじゃない。汚いことしかない。
でもそうしないと生き残れないんだ。
そうだろ、鬼サイボーグ」
「･･････ヒーローじゃない、か･･･」
「はい、この話はおしまい」
重い空気を遮って、なんとか明るく振る舞う。
「ごめんね、ジェノスくん。聞き出したのは私なのに。
話せばちょっとは楽になるかなと思ったけど、辛くさせちゃったね･･･
アマイマスクさんも･･･ごめんなさい」
「君が謝ることじゃないよ。これは仕方のないことなんだ。
･･･どうしようもない･･･ことなんだ･･･」
まるで、自分に言い聞かせるように言う。
「お詫びに私の能力を見せてあげる。少しの間でも辛いことを忘れられるように」
ジェノスくんは顔を上げ、アマイマスクさんは頭にハテナを浮かべる。
「君の能力？」
「A･･･歌うのか」
「アマイマスクさんは私の能力を見るの、初めてでしたね。
私の歌には人に影響を与える力があるんです。
今回は、貴方たちの心が少しでも軽くなるように穏やかな癒しを」
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ナビィ(プロフ) - 続きが気になる、設定の思想が強くてとても好きです (2022年12月18日 22時) (
レス) @page16 id: e35ee85d42 (このIDを非表示/違反報告)
しわ(プロフ) - もるかさん» ありがとうございます！コメント嬉しいです！！！ (2018年3月11日 12時) (レス) id: f999ed7858 (このIDを非表示/違反報告)
もるか - 設定がとてもいいですね！ (2018年3月11日 1時) (レス) id: e3e8e90bb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しわ | 作成日時：2017年12月16日 0時
