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だけど，好きになってしまったものは，
好きになってしまった心の整理と決別は，
そんな簡単につくようなものではないだろうに……
「うん，もうええんや。諦めならついた」
「………」
「それにもう，卒業してまうしな」
……ほんまかよ。
じゃあなんでそんな泣きそうな顔してんねん。
なんでそんなに声が震えてんねん。
「───のどの奥が変に冷たくて，上手く呼吸できへんわ」
昔から下手な作り笑い。
そうやって，なんでも一人で抱え込もうとする。
ほんまに，どうしようもなくアホで，
どうしようもなく……
……好きなんだ。
───たぶんそれが、はじめての自覚。
形にならない感情を，自分の中で言語化した途端，俺の中のなにかが，俺の指を，君の頬へ導いた。
冬の冷気ですっかり冷たくなってしまった，やわらかな頬に。
振りきれてしまった衝動。
俺の中でくすぶっていた何かが爆発し，抑えきれなくなって─────
・
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作者名：AKIRA | 作成日時：2019年1月29日 1時
