【wrwrd!】うずみびの慈【短編･中編】 (ページ6)

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【星屑を踏みしめて】syp ページ6

※学パロ

─────なあ。

前々から気になっていた。

「……お前，コネシマさんのこと好きなん？」

だから直接，聞くことにしたんだ。

「………はぁ？そんなんとちゃうし。突然どうしたん」

こちらの重荷に反し，存外さらりと躱され呆気にとられてしまった。
しかしながら，安堵やら居心地の悪い不安やらがぐちゃぐちゃになって残留する感覚を覚える。
勘は鋭い自信があった。今度ばかりは間違いないと思ったのだが…

謎の気まずさと疑問符でいっぱいの空間に， “おつかれ！！“という快活な声が響き渡る。
先ほどまでの会話の主役によってドアが粗雑に開放され，外の落ち着いた冷気が生徒会室に侵入し，昂った頬をさらりと撫でた。

瞬間，顔に紅葉を宿したような華やかな表情が持ち上がる。

「お疲れ様です！コネシマ先輩！」

………いやいやいやいや。
なんや，俺がツッコミにでもまわればええんか？
そんなニッコニコな顔して，なーにが「そんなんとちゃうし」や。
絶対コネシマさんのこと好きやんけ。

さすがにこれは言い逃れできひんやろ…

と頭の中でぐるぐると独り論議を実行する。
これもAのせいで俺のクセになってしまった，忌まわしくも儚い恒例行事だ…

客観視できた現実逃避から，目の前の現実にふと目を向けると，

「A，今日も頑張っとるな」

その一言に彼女は，今後俺には到底見せてもらえそうもないほど，とっておきといったような満面の笑みを浮かべた。
薄い手のひらを顔の前でひらひらさせて謙遜しつつも，その言葉を嬉しそうに享受しているように見える。
…俺の前ではそんなキャラじゃないのに。
なんやねん，ほんま腹立つわ。
あまりに分かりやすい差分に，こちらだって張り合いが抜けてしまうというものだった。

そんな普段と変わらないように見える戯れの最中だった。

「今日はちょっと早めに上がらせてもらうわ」

少し浮ついたような声色でコネシマさんは俺たちに告げる。

「ふふ，なんだか楽しそうですね。いいことでもあったんですか？」

「ん～，まぁ…なんというか」

言葉を淀ませ，微妙な間隙が生まれる。