● Fire 5 ページ5
女の子は見えなかったけど、男はシウ？ドンウン？
これは・・みなかったことに・・
ショックで体が棒になったままトイレを出た。
そして色んなテーブルを浮游した後(重症)、焚き火の前で腰を下ろした。
横に座った俺に、Aが振り返って気づく。その打ちひしがれた表情を、彼女は訝しげに見た。
ジヌンもその横でギターを持って座っていた。
「びっくりした。すごい上手で。」
「うん、ジヌンは上手。あれ弾いてよ。」
「ジュノが好きなやつ？でもまだ練習中だから下手だよ。」
ジヌンはコードを思い起こすように拙く弾き始める。
"Dust In The Wind"。
=
ジュノたちがその演奏に耳をすませている頃、別のテーブルではパソコンを囲んで盛り上がっていた。先月デビューした少女時代のステージ。ジェボムやテギョンといった米国組は、この中に顔見知りのメンバーがいるらしい。二人は得意そうに皆に話す。
けれどその"Into The New World"の映像を一番真剣に見ているのはニックンだった。
また一方で別のグループでは、ユビンが合流したばかりのWonder Girlsの話題だ。昨夜新曲の練習風景を覗き込んだというグォンが、身体を左右に揺らすその振り付けを披露していた。
それを横目に見たテギョンは、彼女がもうこの場にいないことを思い出し、ふと寂しげな表情を浮かべる。彼は意外と一途だったのだ。
グォンの踊りをみて表情を曇らせたのはもうひとり。ジナだ。彼女はユビンとかつては同じグループだった。けれど前事務所が破産してデビューは白紙となり、去年一緒にJYPに移ってきた。デビューを先越され、彼女もまた悔しさと空虚感を抱えていた。
だからジナは踊った。音楽に合わせて、皆よりも激しく踊った。そんな彼女の揺れる豊満なボディに釘付けな男子が3名。そのうちの1人を遠くから投げめていた女子は、幻滅して大きなため息を漏らした。
一番輝けるときに青春を投げ打って芸能界なんて。大人たちは口々にそう言うけど。
あの頃、みんな誰かに恋をしていたのだ。
胸が締め付けられたり、衝動的になったり、嫉妬したり。
泥臭い日々の中にも、燃え上がるような青春があった。
ただ、それはあっという間に通り過ぎていく。去った後になって気づく。
誰もが誰かをみつめていたあの頃、ジュノもまたひとりの女性をみていた。
熱さで爆発しそうな気持ちを抑えながら。
揺らめく炎。
舞い上がる火花。
それらはパチパチと音を立てて、儚く闇に消えていく。
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なつ?(プロフ) - はじめまして！とても面白くて一気に読んでしまいました^^;続き期待しています！ (2019年10月31日 19時) (
レス) id: fc66c4ce63 (このIDを非表示/違反報告)
クロワッサン(プロフ) - Naishanさん» メッセージいただいていたのに、大変遅くなってすみませんでした。。この先を気になってくださり嬉しいです！本当にありがとうございます (2019年9月17日 22時) (レス) id: f77aa2c100 (このIDを非表示/違反報告)
Naishan(プロフ) - どうなっちゃうんでしょう…すごく先が気になります！ (2018年12月31日 20時) (レス) id: d333c1ee1e (このIDを非表示/違反報告)
クロワッサン(プロフ) - Naishanさん» コメントありがとうございます！！読んで待って下さる方がいることを知れて、とても嬉しいです(涙)更新がんばりますね！これからもよろしくお願いします:) (2018年11月29日 17時) (レス) id: f77aa2c100 (このIDを非表示/違反報告)
Naishan(プロフ) - 早く続きが見たいです！めちゃくちゃ面白い！ドキドキします。 (2018年11月29日 17時) (レス) id: d333c1ee1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロワッサン | 作成日時：2018年11月5日 17時
