Music and Lyrics 4

Crash 1 ページ30

鏡の中の私は大きく目を見開き、髪をブローしてもらっていた。

ヘアメイクさんがカーラーを外すと、髪の毛がくるんと肩の上に落ちる。



でも不思議とそれが自分のものという実感がわかない。

自分の顔も、いつもと違って見える。




鏡の中でヘアメイクさんがドライヤーを止め、語り掛けた。


「ケンチャナ？」


その声が突然左の耳元から聞こえてきたので、心臓が縮み上がって体がびくついた。


「どうしたの。なんか変よ。ほらリラックス！」彼女は私の肩を揉み始める。


「大丈夫です、オンニ。ぼうっとしてたみたいで。」


私は目を細めて笑顔を向けた。
その反応をみて納得し、彼女は再びドライヤーをかけ始める。



今度は鏡の奥からぞろぞろと人が中に入っていくのがみえた。
部屋にみるみる人が増えていく。

その光景が徐々に現実味を帯びて、私は振り返った。




ミン・ジア「Aヤーーー！！」


「え、なに、うわ！」


あっという間に二人にゾンビのように襲われた。
これにはヘアメイクさんも笑って再びドライヤーを止めた。

続けてイェウンも後ろからぴょんと現れる。


イェウン「初ステージ、おめでとーー！！」


彼女とは昔交流はなかったものの、共通の話題が多く最近急速に親しくなっていた。

集団のほうも追いつき、代わる代わる声をかけられる。
ユビン、ヘリム、ソヒ、ソンミ、グォン、ジヌン、ニックン、ウヨン、ジヒョン(G.soul)。

懐かしい顔が勢ぞろい。大人数なのに仲良くまとまって来るなんて。
皆ジニョンさんの応援のために来ていた。


ニックン「たぶん後からもっと(JYPファミリーが)くるよ。」


イェウン「みんなジニョンオッパじゃなくてAを観にきてるからね。笑」


ユビン「冗談じゃなくてこれ本当だから！笑」


私が椅子から立ち上がるとジヒョンが少し背けた。


ジヒョン「え、露出多すぎひん？目のやり場に困るわ。」


「そう。体中スース―して落ち着かないの。」


ランジェリールックの衣装。
コルセットのように上半身を締めるトップは背中が紐だけのシースルーになっていて、ショートパンツもほぼ下着のように短い。
大ぶりなアクセサリー、グローブとブーツでなんとか露出を抑えている。


ミン「今はセクシーコンセプトが多いの。ね、お父さんみたいなコメントはよして。」


ジヒョン「ええ、でも分かるよな？(ニックンに)」


ニックン「う、うん。笑」


ソンミ「オンニ、すごく綺麗よ。」


グォン「女神の再来！」

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