切っても切れない 2 ページ23
私は憶病すぎて、日本にいようが韓国にいようが、父の名前や彼の作った音楽を聞くと胃が焼けるようにジリジリとした。
でもジニョンさんから父の話を聞きたくなかった言えば嘘になる。
彼が父と縁がなければ、父が彼を心から信頼していなければ、いま私はここにいない。
二人が出逢わなければ、私は今頃違う人生を送っていただろう。二人の出会いこそ私のルーツなのだ。
私がいよいよ歌手になることを父はまだ知らない。
どんな反応をするんだろう。
きっと喜ぶはずだ。
やっと夢を叶えたねって、唇を震わせて。
その後には曲を聞かせろというだろう。
ここはもっとこうしたほうがいいよと真面目に指摘する。
父の優しさを思い出してしまうと、たちまち胸が締め付けられて苦しくなる。
そうなると脆い自分を包んでいたガードが剥がされ、体の芯から衰弱していく感覚があった。
だから私はわざとあの日のことを一番に思い出すようにしている。
私は父に騙され裏切られたのだと言い聞かせるのだ。
「君が渡してくれた曲についてはまた後で話すとして。先にAのデビューについて、ボーカリストとしての展望について、会社の立場を交えて話し合おう。」
ジニョンさんは緊張をほぐすように椅子に座り直した。私も霧がかかっていた頭の中をクリアにさせた。
「A、君は以前すでに伝えてくれたね。ジャンルとしてはR&B、ソウル、ジャズ、歌手で言えばNorah JonesやAlicia Keysような音楽をやりたいって。」
「はい。」と言って頷いた。
「君がそのように答えるのは僕の予想通りだった。僕はAをアジアのMariah CareyやJanet Jacksonになってほしくてアメリカに送ったけど、いい意味で君はニューヨークのジャズを消化してきたからね。
そこがこれからも君の原点でありながら、色んなジャンルに影響を受け、挑戦していくのだと。
現に僕は、AがWonder Girlsのレトロコンセプトやmiss Aの強い女性像にも相応しいと思ってデビューを計画してきた。
Aの歌声は安定しているし、女性らしく滑らかでありながらも力強さがあるからね。」
ジニョンさんは一度喉を鳴らして続けた。
「君がJYPから離れている間に会社はさらに大きくなった。KPOP STARといったオーディション番組もあったから、抱えているアーティストの数は倍になった。
女性歌手だけでもWonder Girls、miss A、JOO、15&、ソンミ。たくさんの練習生もデビューを控えている。・・」
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なつ?(プロフ) - はじめまして！とても面白くて一気に読んでしまいました^^;続き期待しています！ (2019年10月31日 19時) (
レス) id: fc66c4ce63 (このIDを非表示/違反報告)
クロワッサン(プロフ) - Naishanさん» メッセージいただいていたのに、大変遅くなってすみませんでした。。この先を気になってくださり嬉しいです！本当にありがとうございます (2019年9月17日 22時) (レス) id: f77aa2c100 (このIDを非表示/違反報告)
Naishan(プロフ) - どうなっちゃうんでしょう…すごく先が気になります！ (2018年12月31日 20時) (レス) id: d333c1ee1e (このIDを非表示/違反報告)
クロワッサン(プロフ) - Naishanさん» コメントありがとうございます！！読んで待って下さる方がいることを知れて、とても嬉しいです(涙)更新がんばりますね！これからもよろしくお願いします:) (2018年11月29日 17時) (レス) id: f77aa2c100 (このIDを非表示/違反報告)
Naishan(プロフ) - 早く続きが見たいです！めちゃくちゃ面白い！ドキドキします。 (2018年11月29日 17時) (レス) id: d333c1ee1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロワッサン | 作成日時：2018年11月5日 17時
