Your Loving (ページ1)

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夜の9時過ぎ。

慣れない化粧品会社の事務を務めているあたしは、今日もクタクタになりながら帰宅する。

家に帰ったら、何をしよう。

お風呂に入って、何も食べずに寝ようかな。

そんなことを考えながら、あたしが住むマンションの前に辿りついた。

エレベーターに乗って、5階のところで降りる。

俯き加減で歩き、ふと顔を上げると、あたしの部屋の前。

玄関のドアの前に。

ドアに背中をくっつけて、俯き加減で立っている彼がいた。

マスクをして、帽子を深く被って。

普通なら怖いはずだけど、あたしは全く怖くなかった。

だって彼は、あたしの"スキ"な人だから。

「…ドンヘ、いつからいたの？」

あたしが声をかけると、彼、ドンヘは、パッと顔を上げた。

そして、仔犬みたいに潤んだ瞳をくしゃっと細めて笑う。

DH「ヌナ、遅い。30分は待ったよ」

マスクを取りながらそう言うドンヘ。

クスクス笑うドンヘを見て、

改めて思った。

ードンヘがスキ。