・ LIFE 235 ページ49
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・白石side
新海「このケースはやりようがない仕方がなかったんです」
手術室を出ても煮え切らないこの気持ちに気付いたのか新海先生が声をかけてくれた。
白石「さっきまでトレーニングして…次のパラリンピックにも出るつもりだったんです」
それに、今日運ばれてきた人達全員を助けられたと喜んでいたのに。
どうしてこんなにも上手くいかないのだろうか。
人生そんな、甘くないという事を改めて突き付けられた気がした。
新海「皮肉ですよね、障害を乗り越えてここまで来たのに14年前の事故の日から彼が今日死ぬことは決まってた」
白石「……悔しいです」
藍沢「必要以上に責任を感じることはない、医者ができることは限られてる」
藍沢先生がかけてくれた慰めの言葉が私の心の中にまた渦を作る。
私がオペ室に入った時に一瞬だけ目を輝かせた藍沢先生。
だけど、その目の輝きはすぐに廃り悲しい目に戻った。
“ どうしてAじゃないのか ”
まるでそう言ったかのような彼の表情に泣きそうになったのが事実。
新海「その言葉を理解すべきは、お前だろ、患者のことで必要以上に責任を感じてるのは誰だ」
奏ちゃんの事だ。とすぐに分かったのは新海先生のその言葉を聞いて、どこを見ているのか分からない目をした彼が背を向け歩き始めたから。
新海「はぁ、」
ため息をついた新海先生に頭を下げて私も戻ろうとしたら、新海先生に声をかけられた。
新海「白石先生!」
白石「……はい?」
新海「藍沢、……A先生って、どんな人ですか?」
その言葉の意味は分からないけれどにこやかに話す新海先生が少し怖くなった。
新海「藍沢があんなに執着する人がどんな人なのか気になったんですよ。
でも、どうも……彼女の魅力を理解することができない。」
この言葉の意味を理解する事は私には、できなかった。
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あられ(プロフ) - 夢主と藍沢先生が結ばれるそういう作品にしてほしいです…続き頑張って… (2018年5月23日 19時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤勝利LOVE(プロフ) - 頑張ってください これからも応援しています! (2018年5月13日 17時) (レス) id: 9db5a86e99 (このIDを非表示/違反報告)
キラあや - いつも、続き楽しみにしています!更新お願いします! (2018年5月11日 17時) (レス) id: bf70448eda (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 続き楽しみにしています! (2018年4月22日 16時) (レス) id: ce7544d8fb (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 更新されていて嬉しいです。これからも楽しみにしてます。 (2018年3月9日 7時) (レス) id: ed5c94d402 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2017年12月7日 14時