・ LIFE １５０ ↓ ページ11
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もう1度、もう1度と思いかける。
《現在、この電話番号は》
途中で切りもう1度とかける。
《現在、こ》
今度は電源ボタンを長押しして、電源ごと落とした。
『ﾋｯ､うっ、ｯ､こ、っ、ぉ、…耕、耕！ｳｯ､ﾋｯく、』
今更になって後悔が募り、耕が恋しくなって、逢いたくなって、耕の手の温もりが、優しい笑顔が、大丈夫か、なんていう声が、全て欲しくなってしまった。
でも届かなくって、それがこの携帯電話によってハッキリとしてしまった。
離れていた年月が、出会ってからよりも長くって、戻れないんだと改めて思った。
零れ落ちた涙は床に叩きつけられるばかりで、拭ってくれる人はいなくて、その人は自分の手で捨ててしまった。
その事実に、苦しくなった。
流れ出る嗚咽を両手で抑えながら必死に涙を止めようと試みる。
『もう、いやだ、耕───！！！！』
掠れる声で、溢れる涙で震える声で、叫んだ。耕を呼ぶようにただひたすら叫んだ。
頭の中は耕の事でいっぱいだった。
だからかなぁ。もし、後ろから足音が近づいてきたことに気付いていれば、防げたのかな。
泣いている私の背後から口元に何か布のようなものを宛てがわれ、だんだんと意識が遠のいて言った。
すぅ、と吸い込めば頭がクラクラして眠くなって気持ち悪くなって、ぐちゃぐちゃになりそうだった。
全身の力が段々と抜けていって、手に持っていた携帯がするりと手のひらを滑りカシャンと音を立てて落ちた。
薄れゆく意識の中で聞こえた誰かの声は、どこか懐かしい愛しきあの人の声に聞こえて涙が1粒、零れ落ちた。
そして体がふわりと浮いた感覚を最後に、完璧に私は意識を失った。
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玄ちゃん(プロフ) - 最後の方から誤字脱字がありますので直した方がいいと思いますよ。 (2018年7月12日 18時) (
レス) id: f00d27de65 (このIDを非表示/違反報告)
ka.(プロフ) - たくさんのコード・ブルー作品を読んできましたが、作者様の作品が一番好きです。主人公の過去、お互い好きなのに結ばれないもどかしさ、シニアドクターの絆、涙涙で読みました。これからも楽しみにしているので、更新頑張ってください。心より応援しています！ (2017年12月3日 3時) (レス) id: 732c0bc2d5 (このIDを非表示/違反報告)
なお - 全部読まさせていただきました！とても面白くて更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2017年11月30日 6時) (レス) id: eef0ffb7e2 (このIDを非表示/違反報告)
なほ - 毎日更新楽しみにしてます！なので更新お願いします。 (2017年11月13日 0時) (レス) id: c219c4c7e4 (このIDを非表示/違反報告)
あや - 更新お願いします (2017年11月12日 18時) (レス) id: bf70448eda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラベン
| 作成日時：2017年11月2日 15時
