= 020 ’ ページ21
.
直人さん、臣さん、俺がデビュー前からお世話になってるCLUB“SPECIAL”の姉妹店がオープンする事になった。
そこのオーナーと直人さんがものすごく仲がいいらしくて、俺ら三代目がパフォーマンスをする事になった。
そこは俺とAが出会った場所であり、俺がダンスをもっと好きになった場所でもあった。
そんなこんなで会場が真っ暗になり、その隙に立ち位置に付く。
俺らのグループカラーの青い照明がステージにだけ付く。
踊りなれた音がガンガンに響いてきて体が疼く。
音に合わせて体を動かして目線を移動させれば体に衝撃が走った。
だってそこには、Aが、いたんだ。
は?って、多分周りすら見えてなかった俺は踊らなくちゃいけないのに、いや、踊ってるけど、踊れてなくて。
目線はずっとAに釘付けだし。
たった一人で、いつもみたいにお酒を飲んでカウンターに座っていた。
Aを見た瞬間、聞こえていた音楽が全部聞こえなくなって、スポットライトがAの所に当たってるみたいに、Aだけしか見えなくなった。
一瞬目を逸らしてしまえばもう、Aはいなくなっていて、幻覚だったのか何だったのか、……いや、絶対にAはいた。
見た目は変わっても、服装は違くても、あれはAだ。
俺らの出番が終わって、裏にはけた俺らはそれぞれお疲れ様、なんて言葉を並べていく。
臣さんは一人携帯で誰かに電話をかけていた。
登坂「は?……なんだあいつ、」
ELLY「どしたの?」
登坂「いや、知り合いに電話かけたら泣きながら電話出て明日早いからっつって切れました。謎っす」
今市「なに、臣の彼女?」
登坂「いや、あいつ忘れられない人いるらしいんすよ。7年間も。」
7年間も、って……俺と一緒じゃん。なんて思いながら俺は直人さんの所へ足ん進めた。
.
597人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あっちゃん - すごくよかったです。本当にこうなればいいなぁと思いました。読むたびに感動して涙がとまりませんでした。 (2018年3月20日 21時) (レス) id: f83acd1f10 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー(プロフ) - すごく切なくて心温まる話でした。臣ちゃんsaidも結婚後も見てみたいです!楽しみにしてます (2017年12月16日 22時) (レス) id: 2003420e41 (このIDを非表示/違反報告)
ayanalovedance(プロフ) - 最高です!!結婚後すごく気になります!!! (2017年12月16日 21時) (レス) id: 30d2492fd6 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 結婚後すごく読みたいです!!キュン死しそうです! (2017年12月16日 18時) (レス) id: 0c4620f798 (このIDを非表示/違反報告)
ishrmy37(プロフ) - 岩ちゃんとの結婚後のお話も是非見たいです! (2017年12月16日 16時) (レス) id: c0d66834b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ラベン | 作成日時:2017年11月30日 21時