＝ 002 ページ3
.
『岩ちゃん、…好き』
見事にカシスソーダで酔っ払った私は案の定べろべろに。
『ずっと、見てたの…SPECIALに行く理由は貴方だったんだよ』
だから今、自分がどこにいて、何をしているのかなんて分かるはずもなくて。
『この1ヶ月、あなたが私の生きる意味になってっん、』
もう、黙って。と硬い声が聞こえてきて唇に何かが当たる。
私、これ知ってる。
『……キ、ス？』
岩田｢その無防備すぎるの辞めて。それから…頼むから、今そんな事言わないで｣
“とまらなくなる”
岩田｢俺もずっと見てた……だから、声掛けた｣
そして驚くべき事を言った。
岩田｢一目惚れした好きな子に、無防備にされたら辛いんだけど、｣
苦笑しながら向かい合わせに座る私の頭をそっと撫でた。
その言葉が、その手が、嬉しくて、本当に嬉しくて、涙が出た。
『いいよ、』
か細い声が出る。
『私も、貴方を見てた』
男の人なのに、嬉しいって目の前で泣く貴方が愛おしくて抱きしめた。
『──止めないで』
肩を押されて、ふかふかのベッドへと一緒に沈む。
どちらともなく始まったキスに酔いしれて、互いを深く求め合った。
貴方を見つけて1ヶ月。
話し始めて1日。
関係が深く変わるのに時間は要らなかった。
『んっ、…岩ちゃ、』
｢っ、……A、｣
溺れて、溺れて溺れまくった。
顔と、ダンスしか知らない人を好きになった。
話して初めてその人の声と名前と歳を知った。
でもそれ以外は知らなかった。
向こうも聞いてこなかったから、言わなかっただけ。
岩田｢ねぇ、一緒に住もっか｣
CLUB“SPECIAL”に隣接するホテル…いわゆるラブホで2人息を荒くしながらピンク色の天井を見上げていた時だった。
『……は、？』
岩田｢俺は、知りたいと思ってる。
今日、初めて話したけど、ずっと前から見てたから初めてって感じじゃないし。｣
生まれたままの姿の岩ちゃんが動いて私の方を向いた。
岩田｢俺と、……結婚を前提にお付き合いしましょう｣
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 597人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あっちゃん - すごくよかったです。本当にこうなればいいなぁと思いました。読むたびに感動して涙がとまりませんでした。 (2018年3月20日 21時) (
レス) id: f83acd1f10 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー(プロフ) - すごく切なくて心温まる話でした。臣ちゃんsaidも結婚後も見てみたいです！楽しみにしてます (2017年12月16日 22時) (レス) id: 2003420e41 (このIDを非表示/違反報告)
ayanalovedance(プロフ) - 最高です！！結婚後すごく気になります！！！ (2017年12月16日 21時) (レス) id: 30d2492fd6 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 結婚後すごく読みたいです！！キュン死しそうです！ (2017年12月16日 18時) (レス) id: 0c4620f798 (このIDを非表示/違反報告)
ishrmy37(プロフ) - 岩ちゃんとの結婚後のお話も是非見たいです！ (2017年12月16日 16時) (レス) id: c0d66834b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ラベン
| 作成日時：2017年11月30日 21時
