・ LIFE 93 ページ48
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『久しぶり、優輔くん』
そっと頭を撫でればめちゃくちゃ笑顔でA先生!と言ってくれた。
優輔「A先生、あのね、僕ね、A先生が大好きだよ!」
毎回会う度に言ってくれてる言葉を今回も聞けて嬉しくなった。ありがとうの代わりに思いっきり抱きしめると
優輔「A先生、髪の毛と目の色が違うよ?」
と聞いてきた。気付いてくれたんだ。嬉しい。なんて思いながらそうなのー。って言えば
優輔「A先生、綺麗だね!」
三井「あらぁ?私の事は綺麗だなんて言ったことなかったのに。Aだけずるいわよ?」
なんて声が後ろから聞こえてきた。
優輔「お母さん!A先生が来てくれたよ!」
笑顔で会釈をすれば笑顔を返してくれた三井先生。
三井「A、ちょっといい?」
『……はい。じゃ、また来るね。』
優輔「え、もう行っちゃうの?また来てね?」
うん。とわしゃわしゃと頭を撫でれば可愛い笑顔を返してくれた優輔くん。どこかに橘先生と三井先生の両方を感じ取れた。
──────── 屋上
『……もう3年ですか。』
優輔くんが補助人工心臓を付けてから約3年経った。
三井「そうね。あなたには相当手伝ってもらったわね。ありがとう」
『いや、……私が補助人工心臓を提案してもう3年。移植を待つ生活は精神的にも辛いです。この間も胃炎を起こしたと小児科医の井上先生から聞きました。』
三井「……そうね。でも、補助人工心臓を付けたお陰で優輔は今も生きていられている。
あなたには本当に感謝しているわ。
でも、今日あなたを呼んだのはそれじゃないわ」
隣にいる三井先生にえ?と聞き返すと
三井「あなた……スタッフステーションで緋山と口喧嘩したみたいね。
橘が見てたらしいわ。」
『見られてたんですか……』
やっちまったな〜なんて思ってると
三井「でも、あなたは間違ってなんかいないわ。いつでもあなたは正しい。
だからね、そんなに自分を責めないで欲しいの。アメリカでの事だって、仕方の無い事だったのよ。
私でもそうしたわ……」
『仕方の無い事。それで終わればよかったんです。でも実際、それで終わらなかった。』
空を見あげればオレンジが目いっぱいに広がって眩しかった。
『……いつ、言えばいいんでしょう。いつ、私はこの呪縛から逃れられるんですかね』
隣にいる三井先生は泣きそうな顔で私を見ていた。
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みはる(プロフ) - この世界観、なんだか好きです。だいぶ楽しませていただいているんですけど、ちょっと違和感をかんじた感じた部分があって。なんだろうと思ったのです、、、トロントのやつですね! トロントはアメリカじゃなくてカナダの都市です!! (2018年6月10日 2時) (レス) id: d6478e436f (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 橘先生が好きなので、絡みを増やしてください。 (2017年10月1日 9時) (レス) id: ed5c94d402 (このIDを非表示/違反報告)
作楽(プロフ) - ところどころ、優輔くんが三井先生の名前になっていたり、三井先生が緋山先生の名前になっていたりしています。続編からも楽しみにしております。 (2017年9月30日 22時) (レス) id: 2a04f50b79 (このIDを非表示/違反報告)
真奈美 - 更新お疲れ様です!いつも読むとすぐ終わっちゃって続きが気になるくらい、面白いです。大変だと思いますが、更新頑張って下さい! (2017年9月30日 17時) (レス) id: 5749d332a2 (このIDを非表示/違反報告)
真奈美 - 続きがいつも気になります!更新頑張って下さいね!応援しております。 (2017年9月29日 22時) (レス) id: 5749d332a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2017年9月18日 11時