・ LIFE 88 ページ43
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きっと絶望的な表情をしているであろう灰谷先生に話しかける。
白石「そもそも、大動脈断裂じゃ可能性はほとんどない。わかるでしょ?
そこに医者は2人しかいない。それにA先生も他の患者をみていて、骨盤骨折の20代女性も危険な状態よ。」
優しく、諭すように言う白石にはAとは違う安心感があり灰谷も落ち着けるようになったのだろうか。
《灰谷:……でも、……でも……!》
白石が口を開こうとした時だった。
カメラが映していた胸腔内からゴボリと音を立てて血液が大量に出てきた。
藍沢「……大動脈破裂だ。これで可能性はゼロだ。諦めろ、灰谷」
聞こえるように呟けば灰谷は一歩、また一歩と後退りをして壁に背中を預けた。
そこに担当していた患者の処置が終わったAが来た。
《おばあさんは腸管脱出があって血圧も落ちてきてる。私は一緒に救急車で翔北に向かう。灰谷先生はあの女性と翔北に向かって。》
《灰谷:っ、この、人は…?》
Aはそれには答えずに近くにいるであろう救急隊員に言った。
《この男性は翔北に運んで死亡確認をします。医者は同乗しません。》
よし、と白石はモニターを切り受け入れ準備をしようと後ろを振り返った。
白石「わっ、藍沢先生いたの……」
さっき喋ったじゃないか……なんて思いながらあぁ。と返事をすれぱ何故か顔を赤くして目を逸らされた。
藍沢「……どうした。熱か?」
手のひらを額に当てようと思ったが熱はない!!なんて叫ばれてしまった。
藍沢「……?」
・A side
医者は同乗しません。と救急隊員に伝えるともう一つの白車から叫び声が聞こえた。
「まって、なに、なんで、……死亡確認って、なに、ねぇ、やだ、……やだっ!!!ねぇ、将くん」
そう恋人に向かい叫んでいる女性の所まで足を引きずりながら行き伝える。
『あの方は助かりません。……残念です。』
でも、そんな言葉届いていないかのように彼女は叫び続ける。
「そんなの、嘘だよ、……将くん!将くん!ねぇ起きて!先生、助けてよ、将くんを助けてよ、ねぇ、……先生!!!!!!!」
その声を聞きながら灰谷先生に届くように伝える。
『灰谷先生!固定し直して搬送して。』
「やだ、……ねぇ、私はいいから……将くんを死なせないで!先生、お願い……」
『灰谷!!!』
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みはる(プロフ) - この世界観、なんだか好きです。だいぶ楽しませていただいているんですけど、ちょっと違和感をかんじた感じた部分があって。なんだろうと思ったのです、、、トロントのやつですね! トロントはアメリカじゃなくてカナダの都市です!! (2018年6月10日 2時) (レス) id: d6478e436f (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 橘先生が好きなので、絡みを増やしてください。 (2017年10月1日 9時) (レス) id: ed5c94d402 (このIDを非表示/違反報告)
作楽(プロフ) - ところどころ、優輔くんが三井先生の名前になっていたり、三井先生が緋山先生の名前になっていたりしています。続編からも楽しみにしております。 (2017年9月30日 22時) (レス) id: 2a04f50b79 (このIDを非表示/違反報告)
真奈美 - 更新お疲れ様です!いつも読むとすぐ終わっちゃって続きが気になるくらい、面白いです。大変だと思いますが、更新頑張って下さい! (2017年9月30日 17時) (レス) id: 5749d332a2 (このIDを非表示/違反報告)
真奈美 - 続きがいつも気になります!更新頑張って下さいね!応援しております。 (2017年9月29日 22時) (レス) id: 5749d332a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2017年9月18日 11時