Lifesaving - 感じる鼓動 - 2章

・ LIFE ８６ ページ41

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・A side






橘先生に事後報告を済ませて視線を患者さんに向けると雪村さんは誰かに電話をしていてもしやと思えば相手は耕で。

余計な事しなくていいのに。それが率直の意見だった。別に今言った所で耕がここに来れるわけでもないし。



なんて思いながら橘先生に患者情報を伝える。






『80代女性はレベル二桁で腹部に開放創腸管が脱出しています。

20代女性は骨盤骨折で意識はあります。

30代男性はアゴナール呼吸。脈も弱く、心停止寸前です。』

《橘:そうか。了解だこちらは準備をして待つ》





電話を終えて男性を見る。頭をフル回転させて出した決断は




『開胸する。灰谷、雪村フォロー入って。大動脈を遮断して脳への血流を確保する。』




メスを受け取り胸にメスを滑らせる。




雪村｢頸動脈触れません！｣



まずい……



『心停止する。……うわ、後縦隔にひどい血腫がある。大動脈損傷があるね。これじゃ遮断できない。』




よし、諦めよう。と立つと少し足が傷んだが気にしていられなかった。もう一つの白車から救急隊員が出てきた。




救｢80代女性から腸管がどんどん出てきます！来てください！｣




了解です！と声を張り上げて足を引きずりながら男性の白車を降りて80代女性の方へと向かう



『この男性は諦めて他の2人を助けましょ』



まだ動けないでいる灰谷先生にそう言い80代女性の治療を開始するともう一つの白車にいた20代女性が声をあげた。




｢待って、将くん、将くんしっかりして！！！先生、先生助けて！将くんを助けて！｣




その声を聞きながら女性の治療をしていると雪村さんが叫んだ。




雪村｢灰谷先生？！｣




慌てて見ると灰谷先生が雪村さんにエピネフリンを入れるように指示をして心マをし始めた。




｢将くん、聞こえる？大変なことになっちゃったね。これから結婚式だっていうのに。式場でみんな心配してるかなぁ？｣





その声が聞こえた瞬間、私の治療をしていた手が止まり、霞がかった頭は晴れてある光景がフラッシュバックした。





─────── 大丈夫か？痛いか？そうだよな、ごめんな、大丈夫だよ。Dr.Aizawaがいるんだ。





流暢な英語で倒れる女性に声をかける紫色のスクラブを着る男性。





────── 結婚式なんていつでも出来る。大丈夫、Dr.Aizawaが助けてくれる。








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