・ LIFE 85 ページ40
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・藍沢 side
ヘリが戻ってくる準備を初療室でしていた。
Aが白石の代わりにヘリに乗ることになった。復帰したばかりなのに……なんて後ろの方では橘先生がブツブツと言っていた。
橘先生はAの過去を知っているんだろうか。
モヤモヤとするこの感情は嫉妬なのか妬みなのか。訳の分からない感情にイラついていたら、CSから町田さんが勢い良く飛び出してきた。
町田「っ……、ヘリが、着陸に失敗しました!」
そこに居た全員が固まり、思考回路が止まってしまった。
橘「何故だ?!全員無事か?!スタッフは!」
橘先生の焦った声で現実へと引き戻された。橘先生の問いかけに町田さんは首を振り
町田「分かりません。消防から、着陸に失敗したとしか……」
と言った時、橘先生の携帯に誰かから電話がかかってきた。
橘「はい。A?!大丈夫か?無事か?」
《ヘリが木に接触してバランスを崩し着陸に失敗しました。飛ぶのは無理そうです。
スタッフ全員無事です。患者にも接触して治療を開始してます。》
そう電話越しに聞こえた。が、何だかいつもより呂律が回っていないかのように思えた。橘先生もそう感じ取ったのか俺と目を合わせ怪訝そうな顔をして見せた。
とりあえず、大丈夫か。と一息付くと今度は俺の電話に雪村がかけてきた。
《雪村:藍沢先生!雪村です。A先生が落ちる時に私達の頭を庇ってくださったんですが、落下物がA先生の頭部を直撃し、頭から血を流しています。
それから、足を少し捻ったようで引きずってます!……あ、す、すみません!A先生!あ、ちょ!》
途中で雪村の声が遠くなりどうした!と言おうとした時。Aの声が聞こえてきた。
《もしもし、私だけど。大丈夫だから。頭部から血が出てるけどいつも通り。大したことないから平気よ。》
心配しないで。待ってて。そう言っているようで心の底から安心した。
藍沢「そうか。わかった。帰ってきてから診てやる。──────── 待ってる」
待ってて。そう返ってきた声に愛しさと安心感を思いながら仕事だ。と引き締め電話を切った。
その姿を点滴が終わり戻ってきた白石とそれを支える緋山が見ていたとは思ってなかった。
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みはる(プロフ) - この世界観、なんだか好きです。だいぶ楽しませていただいているんですけど、ちょっと違和感をかんじた感じた部分があって。なんだろうと思ったのです、、、トロントのやつですね! トロントはアメリカじゃなくてカナダの都市です!! (2018年6月10日 2時) (レス) id: d6478e436f (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 橘先生が好きなので、絡みを増やしてください。 (2017年10月1日 9時) (レス) id: ed5c94d402 (このIDを非表示/違反報告)
作楽(プロフ) - ところどころ、優輔くんが三井先生の名前になっていたり、三井先生が緋山先生の名前になっていたりしています。続編からも楽しみにしております。 (2017年9月30日 22時) (レス) id: 2a04f50b79 (このIDを非表示/違反報告)
真奈美 - 更新お疲れ様です!いつも読むとすぐ終わっちゃって続きが気になるくらい、面白いです。大変だと思いますが、更新頑張って下さい! (2017年9月30日 17時) (レス) id: 5749d332a2 (このIDを非表示/違反報告)
真奈美 - 続きがいつも気になります!更新頑張って下さいね!応援しております。 (2017年9月29日 22時) (レス) id: 5749d332a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2017年9月18日 11時