・ LIFE ８０ ページ35
.
結局眠れなかった。
電気の付いた部屋で何かを見つめるわけではなくただボーッとする私を傍から見たら医者だとは思えないだろう。
休みで良かった。何も考えられない頭を無理矢理働かせたらその言葉しか出てこなかった。
テレビを付けると静寂だった部屋が一気に賑やかになりホッとした。
・
・
・
昨日耕から貰ったのに放置していた冷たくなってしまったココアを開けて引き続きテレビを見ていると携帯に電話がかかってきた。
『はい、藍沢です』
《黒田:お前今どこだ。何故携帯を見ない。お前が鍵を渡してくれないと俺は帰れないんだぞ》
ちょっと怒っている黒田先生の声にハッとして壁に掛けてある時計を見るとお昼すぎだった。
机の上に置いてあった黒田先生の車の鍵を掴み黒田先生と繋がっている携帯を切り、慌てて部屋を飛び出す。
駐車場には切られた電話画面を睨みつけて車の近くに立っている黒田先生がいた。
『先生ごめん！忘れてたよ』
へへへーと笑って渡すと黒田先生はぎょっとした顔を私に向けた。
黒田｢お前寝てないのか？｣
え、と思い顔を触るとしばらく手入れしていなかったカサついた肌に手が触れた。
『うそ、肌荒れそんなやばい？』
気にしてなかった。女とした事が！だなんて明るく言えば怪訝な顔をして私の顔をのぞき込んだ。
黒田｢……充血した赤い目、目の下のクマ、昨日会った時にはそんなじゃなかった肌。
寝てない証拠じゃないか。｣
まじか……そんな酷いのか。なんて思いながら黒田先生に車の鍵を渡す。
『なんか寝れないんだよね。睡眠薬買って飲んで寝るわ。教えてくれてありがとね』
私から鍵を受け取りながらそうか。と相槌を返してくれた先生に微笑んだ。
『じゃあね先生。またご飯行こ！』
黒田｢あぁ、何食べたいか決めておけ｣
了解！なんて敬礼の真似をして見せれば馬鹿にしたように笑った黒田先生。
じゃあねーと黒田先生の車を見送り、1度部屋に戻ると財布と携帯を持って家を出た。
歩いてすぐにある手頃なドラッグストアに入り睡眠促成剤を買う。食品コーナーでプリンやらなんやらを物色する。
『あ、髪の毛……』
銀色飽きてきたなぁと思いながらも銀の髪染めを手のとる。
『あ、これいい』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1295人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みはる(プロフ) - この世界観、なんだか好きです。だいぶ楽しませていただいているんですけど、ちょっと違和感をかんじた感じた部分があって。なんだろうと思ったのです、、、トロントのやつですね! トロントはアメリカじゃなくてカナダの都市です！! (2018年6月10日 2時) (
レス) id: d6478e436f (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 橘先生が好きなので、絡みを増やしてください。 (2017年10月1日 9時) (レス) id: ed5c94d402 (このIDを非表示/違反報告)
作楽(プロフ) - ところどころ、優輔くんが三井先生の名前になっていたり、三井先生が緋山先生の名前になっていたりしています。続編からも楽しみにしております。 (2017年9月30日 22時) (レス) id: 2a04f50b79 (このIDを非表示/違反報告)
真奈美 - 更新お疲れ様です！いつも読むとすぐ終わっちゃって続きが気になるくらい、面白いです。大変だと思いますが、更新頑張って下さい！ (2017年9月30日 17時) (レス) id: 5749d332a2 (このIDを非表示/違反報告)
真奈美 - 続きがいつも気になります！更新頑張って下さいね！応援しております。 (2017年9月29日 22時) (レス) id: 5749d332a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ラベン
| 作成日時：2017年9月18日 11時
