・ LIFE 79 ページ34
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『だよねぇ……』
黒田「でも俺は、ずっと藍沢とお前は付き合ってるものだと思ってたからなぁ。
付き合ってたのか?」
『いや、付き合ってはない、けど……』
黒田「…………結局お前らはなんなんだ。どこまで行ってるんだ。いい歳してまだって訳じゃないだろう。でもお前は……」
『大丈夫、お互いのハジメテは全部お互いだから。』
黒田「……そうか。」
下ネタぶっ込んできたオッサンは何故か照れくさそうにお酒を飲み今や利き手となった左手で頬をかいた。
『ま、上手くやるよ。ありがとね、先生』
デザートとして運ばれてきたバニラアイスを食べていると呆れたように口を開いた。
黒田「お前と飯に行くと俺の財布が……」
『へへへ、また行こうね。』
てかこのオッサンお酒飲んでるから車運転出来ないじゃん。なんて思いながらタクシーを呼び私は黒田先生からキーを預かり家に黒田先生の車を連れて帰ることにした。
『じゃ、気をつけてね』
黒田「あぁ。お前もな。」
うん、と頷いて先生がタクシーに乗り込むのを見送ろうとした時窓が開いた。
黒田「A!ちゃんと休むんだぞ。大丈夫だ。お前には橘と三井がいる。
明日はちゃんと休んで万全な体制で仕事しろ。」
『うん!わかってるー!ありがと先生』
ばいばーいと手を振るとふっと笑い手を振り返してくれた。
タクシーを見送り、黒田先生の車に乗り込んで家に帰る。
携帯には明日車を取りに行く。なんていう黒田先生らしいメールが届いていて少し笑ってしまった。
了解!という文字とちょっと変な可愛いスタンプを送ると既読無視をされた。うん、当たり前。
ベッドにゴロンと横になり目を瞑る。
目を瞑るとそこは当たり前のように真っ暗でなぜだかその暗闇があの忘れたい光景を思い浮かべさせた。
罵声、怒声、奇声、発狂
実際には聞こえてこないはずの声が、言葉が頭の中で繰り返えされた。
冷や汗が毛穴という毛穴から吹き出て、気持ちが悪くなり、嘔吐しそうになった。それから震え、動機が激しくなり、現実なのかがわからない気分になった。
閉じていた目を開けるが、電気をつけていない真っ暗な部屋が怖くてまるで転がるかのようにベッドから降りて部屋の電気を付ける。
明るく眩しい光が目を眩ませて、でもそれがなぜだか安心してそして、一つの病が頭をかすめた。
“ 暗 闇 恐 怖 症 ”
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みはる(プロフ) - この世界観、なんだか好きです。だいぶ楽しませていただいているんですけど、ちょっと違和感をかんじた感じた部分があって。なんだろうと思ったのです、、、トロントのやつですね! トロントはアメリカじゃなくてカナダの都市です!! (2018年6月10日 2時) (レス) id: d6478e436f (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 橘先生が好きなので、絡みを増やしてください。 (2017年10月1日 9時) (レス) id: ed5c94d402 (このIDを非表示/違反報告)
作楽(プロフ) - ところどころ、優輔くんが三井先生の名前になっていたり、三井先生が緋山先生の名前になっていたりしています。続編からも楽しみにしております。 (2017年9月30日 22時) (レス) id: 2a04f50b79 (このIDを非表示/違反報告)
真奈美 - 更新お疲れ様です!いつも読むとすぐ終わっちゃって続きが気になるくらい、面白いです。大変だと思いますが、更新頑張って下さい! (2017年9月30日 17時) (レス) id: 5749d332a2 (このIDを非表示/違反報告)
真奈美 - 続きがいつも気になります!更新頑張って下さいね!応援しております。 (2017年9月29日 22時) (レス) id: 5749d332a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2017年9月18日 11時