・ LIFE 73 ページ28
.
緋山「何それ、子供じゃないんだからちゃんといいなよ!なんで言わないの?!」
『こんな気持ち、わかって欲しくなんかない!全然違うんだよ、違う!!!!!もういいよ、もういいから、お願いだから、出てってよ、』
緋山「そうやって逃げるんだ!私はあんたに向き合おうと思っていたのに!逃げるんだ!」
もうやめて!と言おうとした言葉は喉の奥に吸い込まれてヒュッという音を残した。
そしてまるで魚が水の中から出されたかのように苦しくなり息が出来なくなった。
緋山「なんで黙るのよ!苦しいのはあんただけじゃ」
はっ、はっ、と息を繰り返しながら喉元を抑えているといきなり背中を摩られた。
橘「緋山、頼むからあまりAを苦しめるな。もう限界なんだ。やっとここまで戻ってこれたのに元の地獄に戻さないでやってくれ。」
背中をさすっていたのはいつの間にか病室に入っていていた橘先生で、美帆子に向かって言った。
落ち着いてきてふと目を上げると美帆子の傍には三井先生がいた。
緋山「……なんで、おふたりはAの味方をするんですか。Aは、私達の事を傷付けて」
橘「良いから!!!!今は、分からなくていい。後で分かればいい。頼むから出ていってくれ」
私の呼吸は落ち着いたと思っていたがまた浅い呼吸を繰り返していた。
三井先生に連れられて病室を出ていった瞬間、耐えていたはずの涙が大量に零れてきた。
『ッ、……先生、橘、先生ッ、なんで、ごめんなさい、私、私が悪いの、……ヒック、ごめ、……ッ、』
小さい子供をあやす様に背中をさすりながら頭を撫でられた。きっと父親がいたらこんな感じなんだろうか。
『私は、やっぱりッ、生まれてきちゃダメだったのかもッ、ごめん、ごめんなさいッ、!!!!!』
泣きながら謝罪の言葉を繰り返しているといつの間にか鎮静剤を入れられたのか、気を失っていた
橘「……なんでAなんだよ。Aは悪くないじゃないか。どうして、どうしてAなんだ」
眠った私の横には両手を拳にして爪のあとが残るほど強く握りしめている橘先生と、涙を流しながら私の頬についた涙の跡に触れている三井先生がいた。
三井「神様は、本当に酷いわね……」
.
1295人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みはる(プロフ) - この世界観、なんだか好きです。だいぶ楽しませていただいているんですけど、ちょっと違和感をかんじた感じた部分があって。なんだろうと思ったのです、、、トロントのやつですね! トロントはアメリカじゃなくてカナダの都市です!! (2018年6月10日 2時) (レス) id: d6478e436f (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 橘先生が好きなので、絡みを増やしてください。 (2017年10月1日 9時) (レス) id: ed5c94d402 (このIDを非表示/違反報告)
作楽(プロフ) - ところどころ、優輔くんが三井先生の名前になっていたり、三井先生が緋山先生の名前になっていたりしています。続編からも楽しみにしております。 (2017年9月30日 22時) (レス) id: 2a04f50b79 (このIDを非表示/違反報告)
真奈美 - 更新お疲れ様です!いつも読むとすぐ終わっちゃって続きが気になるくらい、面白いです。大変だと思いますが、更新頑張って下さい! (2017年9月30日 17時) (レス) id: 5749d332a2 (このIDを非表示/違反報告)
真奈美 - 続きがいつも気になります!更新頑張って下さいね!応援しております。 (2017年9月29日 22時) (レス) id: 5749d332a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ラベン | 作成日時:2017年9月18日 11時