・ LIFE 48 ページ3
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医局でカルテの整理も何もかもが終わり、仕事をください!!!という気分でコーヒーを飲んでいた。
暇だなぁ。と思いつつコーヒーをぐびっと飲み干すと後ろからダダダダッ!というこちらに向けて駆けてくる音。
緋山「A!藤堂さんが、あんたの事呼んでるんだけど。」
その声を聞き持っていたコーヒーカップを机にダン!と置きICUへと走った。
『藤堂、さん?』
敦子「あぁ、あなたよ。あなた、私の事助けてくれたのよね?ありがとう」
そう微笑んでベッドの上にいる敦子さんは頭を下げた。
『え、あぁ、はい。』
敦子「少し……話をしましょう?」
ベッドの横にあるイスに座るよう促されゆっくりと腰掛けると藤堂さんは話し始めた。
敦子「私の旦那はね、ホストなの。でも本当に優しくてかっこよくて……大好きだった。とてもモテたのよ。だから他にも女がいることはわかってた。だけど、子供もいるの。つまり、…愛人の子。」
このひとは、私がその愛人の娘ってことを知っているのだろうか。多分、知らないだろうな。
知らないからだろう。戸惑っている私にお構い無しに話し始める。
敦子「私ね、許せないの。愛人の娘が。」
まっすぐに前を向いて話す敦子さんの話を私は聞き始めてしまった。
敦子「昔、若い頃にね?子宮頸がんを患ったことがあるの。その時にね、子宮を全摘したの。」
自分のお腹を擦りながら言った。
敦子「子供は、望めなくなってしまったの。だから、なんていうか、幸せそうな家族を見ると辛くなった。」
幸せそうな家族を思い浮かべたのか悔しそうな顔をする敦子さん。
敦子「手術をした1年後、夫がある女性を連れてきた。」
何となく、わかった。きっとその女性は……
敦子「その女性はね、生まれたばかりの赤ちゃんを抱っこしていたの。とっても可愛かった。でもね、その子は……夫の不倫相手……つまり、愛人との間にできた子だったのよ。」
1粒涙を零して言った。
敦子「許せなかった……。私がこんなにも、こんなにも!苦しんでいるのに、夫は、私に子供が出来ないとわかったら、違う女を!!!!違う女を、抱いて子供まで作っていたなんて」
また1粒、涙が零れてシーツへと吸い込まれていく。
敦子「夫はね、作るつもりは無かったって。」
ふっと自嘲気味に笑った。
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みはる(プロフ) - この世界観、なんだか好きです。だいぶ楽しませていただいているんですけど、ちょっと違和感をかんじた感じた部分があって。なんだろうと思ったのです、、、トロントのやつですね! トロントはアメリカじゃなくてカナダの都市です!! (2018年6月10日 2時) (レス) id: d6478e436f (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 橘先生が好きなので、絡みを増やしてください。 (2017年10月1日 9時) (レス) id: ed5c94d402 (このIDを非表示/違反報告)
作楽(プロフ) - ところどころ、優輔くんが三井先生の名前になっていたり、三井先生が緋山先生の名前になっていたりしています。続編からも楽しみにしております。 (2017年9月30日 22時) (レス) id: 2a04f50b79 (このIDを非表示/違反報告)
真奈美 - 更新お疲れ様です!いつも読むとすぐ終わっちゃって続きが気になるくらい、面白いです。大変だと思いますが、更新頑張って下さい! (2017年9月30日 17時) (レス) id: 5749d332a2 (このIDを非表示/違反報告)
真奈美 - 続きがいつも気になります!更新頑張って下さいね!応援しております。 (2017年9月29日 22時) (レス) id: 5749d332a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2017年9月18日 11時