Lifesaving-戻れない過去-

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あれから6年。あの夜出会った男の子は目を合わせたら照れくさそうに笑い、すぐにどこかへ行ってしまった。






私はその後警察に保護され、施設の状況を説明するとその施設は無くなり私達子供は違う施設へと移された。






そこには沢山の仲間がいて、同じような境遇の友達も出来た。





でもそれも、長くは続かなかったんだ。









そうして迎えた今日。今日は中学の入学式。施設長のおばさんに制服を買ってもらい着ると少しぶかぶかだった。






教室に入り黒板に書いてある席順の通りに座る。私が座ったのは窓側の前から2番目。





しばらくして入ってきたのは黒い髪の毛の男の子でどこかで見たことがあるような子だった。





その子は私の前の席に座った。






その子はそわそわと落ち着きが無くクラスのみんなを遠目で見たり、窓の外を見たりとしていることから、緊張してるんだと伝わってきた。






私はそっと窓の外を見ている彼の肩を叩いてみた。





パッとこっちを見た彼に自己紹介をする。




『初めまして。藍沢Aです。よろしくね』




そう言うと目を見開きこっちを凝視する男の子。




藍沢｢あ、藍沢耕作、です。よろしく｣




『…………あなたも藍沢っていうの？』




藍沢｢う、うん。よろしく｣




『Aって呼んでね。私はあなたの事を耕作って呼ぶから。』





そう言うと彼はうんうんと頷き少し微笑んだ。






この時はまだ耕作って呼んでいたね。




耕って呼ぶのはもう少し先のお話。









藍沢｢藍沢、Aって言うんだ。可愛い、なぁ｣









『藍沢耕作って言うんだー。かっこよかったなぁ』









“ 一 目 惚 れ ”




この言葉が私達にはピッタリだった。









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