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ザワザワと野次馬がうるさい中頭をフル回転させて答えを導き出す。




『心肺蘇生法だ』




パッと思いついたのは中学に入ってからすぐの春くらいに保健の授業で習った心肺蘇生法。




ゆかさんを仰向けにさせ、顎を上げてもう1度呼吸確認をする。




確か、3分を経過してしまうと脳に酸素がいかなくなってしまうから、早くしなければならないと教わった。




『呼吸無し、心臓マッサージ、えっと……手をクロスさせる。……胸の真ん中に、一定のリズムで……』




ゆかさんの胸の上で両手をクロスさせ、心臓マッサージを始めた。




ちらりと耕の方を見れば同じことをしていた。それを見て焦りと恐怖がすぅと消えた。




大丈夫、2人でやれば怖くない。大丈夫、私だけじゃない。耕もいる。






──────── 大丈夫






一定のリズムを刻むのは結構難しくて、中々動かない心臓と格闘していた。




『っ、なんで!』




泣きそうになって下唇を噛めばまるで魔法のように、その時の授業を思い出した。





──「心臓マッサージをしても、酸素を送る役目をするだけなので、もし近くにAEDがあったらそれを活用してください。」





手を止めずに叫んだ。





『誰か!誰かAED持ってきてください!2個!2個お願いします!早く!』





心臓マッサージを続けていればおばあちゃんが走ってきて、私と耕の所にそれぞれAEDを置いた。




『おばあちゃん!……ありがとう』





消防隊員の人からハサミを貰って洋服をジャキジャキと切る。





AEDをセットし終えると、





『離れて!』





スイッチを押せばバンっっっ!!!!という激しい音がし、ゆかさんの体は1度宙に浮き、また床へと戻った。





ゆかさんの胸に手を当てればトク、トク、トクという鼓動が感じ取れた。





『戻った……』





まるでそれを見ていたかのように救急車が来て、ゆかさんと明智さんを乗せて行った。







耕と2人、床にへたりこんで放心状態でいたらおばあちゃんが来て2人まとめて抱きしめた。





絹江「あんた達!!!凄いじゃないか!2人の命を、2人が助けたんだよ!

凄いじゃないか!良くやったねぇ!」





おばあちゃんが興奮した様子でぎゅっと抱きしめ、ちょっと苦しかったけど、心地よかった。






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momonga(●´ω`●)(プロフ) - 更新頑張ってください!!楽しみにしてます! (2018年8月17日 18時) (レス) id: af7a87634d (このIDを非表示/違反報告)
- 更新ありがとうございます!続き楽しみにしてます!! (2017年10月28日 20時) (レス) id: ce7544d8fb (このIDを非表示/違反報告)
あいか(プロフ) - 続きをまた、読みたいので、更新頑張って!!fight!! (2017年10月11日 9時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - はじめまして、Lifesavingシリーズの更新いつも楽しみにしています!これからも頑張ってください! (2017年10月9日 20時) (レス) id: 9d35abaae1 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - Past8名前固定されています! (2017年10月9日 20時) (レス) id: 4e8990689c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ラベン | 作成日時:2017年9月14日 14時

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