・ お母さん ページ5
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そう言えば今日大晦日で、紅白なのかぁってベッドの上でボーッとしていた。
───コンコン
するとドアを叩く音が聞こえて返事をした。
入ってきたのは手にいっぱい荷物を持った──
『お母さん!』
母「A!!……遅くなってごめんね。」
『ううん!来てくれただけで嬉しいから。』
母「はい、これ頼まれてたもの」
ペンケースと大学の必要な資料とかが入っているバッグを渡してくれて、着替えなどが入ってるものはサイドセットに置いてくれた。
母「……Aと大晦日一緒に過ごすの何年ぶりかしら( 笑 )」
『んー、10年くらい?』
18にならなきゃジャニカウには出れないけど、いつもセット裏でジャニーさんとお蕎麦食べてたんだよね。
だから毎年私はカウントダウンに出てる気分になれたし、毎年勝利も一緒だったから寂しくもなかった。
でも、お母さんとお父さん、家族と過ごすお正月は私が芸能人になったと同時に消え去ってしまったから久しぶりなのだ。
母「あ、さっきお医者さんに会ったら少し動いてもいいですって!」
そう言ってくれたから私は嬉しくて起き上がろうとした。
でも、起き上がるだけで大変で、思った以上に動けなかった。
お母さんに支えられながら起き上がり、震える足を床に下ろす。
母「A、やっぱりあまり無理しない方が」
『大丈夫』
グッと足に力を入れてみるけれどフルフルと震えてしまい立てずにお母さんに支えられるがまま車椅子に座ってしまった。
母「A、!」
『っ、……ごめんね、お母さん』
母「やだ、何言ってんの…」
少し涙ぐんでるお母さんに私は
『お母さん、来てくれて嬉しかったし、来てって言ったの私なんだけど、さ、……しばらく来なくていいよ。』
母「え?」
『いや、なんかさ!お母さん……疲れてるから。それに……』
それは上辺だけの理由だけど、本当は、本当の理由は───
『あんまり、こういう所見せたくないなぁ……って。たとえ身内でも、情けないから、さ、( 笑 )』
へへって笑って見せたら
母「……分かった。
でも私はあなたの母親だから。一週間に一回はあなたが嫌と言っても必ず来るから。」
それでいい?って言うお母さんに頷けばいつも通りの優しい笑顔をくれた。
ごめんね、お母さん。そう思いながら車椅子の手すりに捕まる手に力が入った。
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佐野あい - 兄こまをもっと出してくれませんか? (2018年4月23日 15時) (レス) id: 730b948b8b (このIDを非表示/違反報告)
Nikon(プロフ) - いつも楽しみにしています。女優さんは土屋太鳳ちゃんで、ジャニーズはNEWSかジャニーズWESTでやってほしいです。これからもずっと読ませてもらいます! (2018年1月11日 19時) (レス) id: a78a9d240e (このIDを非表示/違反報告)
Mirai(プロフ) - 山田涼介くんと絡んでほしいです! (2018年1月10日 22時) (レス) id: a82ea0adce (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 好きな女優さんは篠原涼子さんと佐々木希さんジャニーズはキスマイでこの小説大好きです作者さんにたびたびタメでごめんね (2018年1月10日 15時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - この小説最高です (2018年1月10日 15時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2017年12月31日 9時