7話目《皇 那保》 ページ8
朝を告げる日の光が、ソッとカーテンの隙間からグルッペンの目元を照らした。
グルッペンは微かに瞼を震わせ、ゆっくりと意識を浮上させていった。
日の光により夢の世界から、現実世界へ意識が浮上したグルッペンが目を開けると一番最初に飛び込んできたのは、愛しそうに自身を見つめている那保の姿であった。
しかし、それにグルッペンは驚いた様子一つ見せず、逆に口元を緩めながら寝起き特有の掠れたバリトンボイスで囁いた。
「おはよう那保」
「おはようグルッペン。寝起きのグルッペンも、寝てるグルッペンも最高にカッコいいよ」
“恍惚”
その一言に尽きるような表情を浮かべながら、グルッペンを見つめる那保に対して、グルッペンも小さく微笑むと、男らしく筋張った手で那保の頬を撫で、片方の手で那保の手を絡め取った。
那保は、まるで猫の様にその手にすり寄った。グルッペンの体温を独り占めするように。
「あぁ、朝一番にお前の顔を見れて、俺は幸せ者だゾ」
そうグルッペンは言うと、小さく那保の額にキスを落とした。
「もう、口にはしてくれないの？」
そう那保は何処か不満げに顔を歪めながら言うと、グルッペンは那保の頬に添えていた手の親指で優しく那保の唇を撫でた。
「それは、また今度な？さぁ俺も支度をしよう。今日も母さんと一緒に朝ご飯作ってくれたのか？」
「うん！今日は鮭と、大根とじゃが芋のお味噌汁と、ほうれん草のお浸しだよ！あ、後ねお弁当も作ったの！サンドイッチ！」
那保は自慢げに言うと、学校の制服の上には黒いエプロンが付けられていた。
「有難う。朝も昼も、俺の体は那保が作ってくれた物で構築されていくんだな。幸せだ」
「えへへ、グルッペンにそう言って貰えて、私嬉しい。グルッペンの為なら何でもするよ？じゃあ、先降りて待ってるからね」
グルッペンの額に小さなキスを落とし、名残惜しそうにグルッペンが握ってくれていた手を離し一階へ降りて行った。
グルッペンは、身支度を整えると那保が作ってくれた朝ご飯を食べ、那保と手を繋ぎながら家を出た。その流れは洗礼されており、一寸の違えがなかった。
学校に到着すれば、遠目から二人を見つめる生徒は居れど、二人に話しかけてくるような命知らずはいなかった。
二人は特に気にした様子は見せず、クラス表を覗き込んだ。
「今年も一緒だねグルッペン」
「今年はトンちも一緒だ。楽しくなりそうなんじゃぁ〜」
お互いクラス分けに満足しながら、教室に向かった。
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雛月いず(元りぃふ)(プロフ) - rewさん» わざわざ、ご丁寧にありがとうございます…！そうなんですね！参考にしてみます！(？) (2020年8月5日 20時) (
レス) id: 0b050cbadc (このIDを非表示/違反報告)
rew(プロフ) - 私の周りじゃ○○せんけ？と物事に誘う時に多く使われてますね〜。行こうけ？の場合「行かんけ」が基本的に多いですよ〜。 (2020年8月5日 20時) (レス) id: b43965c35b (このIDを非表示/違反報告)
rew(プロフ) - 四ツ葉奏さんやで〜 (2020年8月5日 20時) (レス) id: b43965c35b (このIDを非表示/違反報告)
ミク*shark@だーいすき！(プロフ) - 次誰やっけー？ (2020年8月5日 19時) (レス) id: 8e46c75e30 (このIDを非表示/違反報告)
雛月いず(元りぃふ)(プロフ) - rewさん» ひえっ、申し訳ないですっ…変換サイトを利用しているので、時々おかしくなることがあります。他にもおかしいところがあれば言ってください…。 (2020年8月5日 19時) (レス) id: 0b050cbadc (このIDを非表示/違反報告)
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