. ページ8
.
.
「だから！とことん可愛いこぶって、可愛い後輩として会長の目に入れるって、思って、猫被って…」
最初の勢いはどこへやら、徐々に弱々しくなっていった斗亜くん。
『…つまり、斗亜くんって私の事すきってこと？』
「そうですよ！！入学式で一目惚れしました！！」
両手で顔を覆い、"あーもう最悪や"なんて言いながら落ち着きがないように動き回る斗亜くん。サラッと告白をしている事に気づいてるのかいないのか
『私、斗亜くんの可愛いところも好きだけど、普段の斗亜くんも見てみたいなぁ』
「へ」
『でも、名前呼びは可愛いから続けて欲しいかも』
「え、ちょ、ちょっと待ってください！え！？」
足を止めてフリーズする斗亜くん。
『私もね、斗亜くんのこと好きなんだ。』
「…え、ぇぇえええ！！」
斗亜くんの叫び声が屋上に響き渡る。放課後でよかったと少し安心した。
「嘘や…そんな、」
『今日も、1番の目的は斗亜くんに会いに来ることだったんだよ？』
「いや！小島くんとかと仲ええし！他にも…」
『私、好きな人しか下の名前で呼ばないよ。』
「え、あ…」
真っ赤な顔で狼狽えている斗亜くんは最強にかわいい。未だに"でも…" "だって…"なんて呟いて信じてくれていないので、少しイタズラしたくなった。
斗亜くんの肩を掴み、その煩い口を塞ぐようにそっと唇を重ねる。
『…信じてくれた？』
「…あ、…う、はい…」
ぷしゅん、と効果音がありそうな程、更に顔を真っ赤にして固まる斗亜くん。やっぱり斗亜くんは猫なんか被らなくたってずっと可愛い。
「会長、」
『だからもう会長じゃないよ。』
「あ、えと、A…さん」
『ふふ、なに？斗亜くん。』
と、真っ直ぐ斗亜くんの目を見つめて言うと、がばっと斗亜くんに抱きしめられる。
「大っ好きです！！」
そう言って更にぎゅ〜っと強く抱きしめてくれた斗亜くん。その力の強さにやっぱり男の子だなと実感する。
「…もう1回、ちゅーしたい…です」
『1回でいいの？』
「なんっ！？…もー、ずるいっすわ」
と言って今度は斗亜くんの方から唇を塞がれる。私の言葉が効いたのか、何度も角度を変えて軽いキスが落とされる。
「あ、Aちゃんも顔赤なってる。かわええ…」
『…斗亜くんの方がずるくない？』
_________
____
(や〜っとくっついたんですね)
(西村くん、ありがとう)
(うぅ、よかったなぁ斗亜〜！)
(え！？何でこじけんが泣くの！？)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 340人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シキ | 作成日時：2023年6月22日 15時
