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『末澤くん、最近よく私の隣に座るよね。』
「…へ！？あ、そーかもなぁ…」
『藤原くん達もいるのに、どうして？』
「え！いや！その〜…」
急にガタッと立ち上がり、妙によそよそしく目を泳がせる。
いつも堂々としている彼が、こんなにもしどろもどろになるなんて珍しくて、じっとみつめているとじわじわと彼の顔が紅く染まっていく。
この反応は、もしかして____
そう思っていると末澤くんが口を開き
「迷惑、やったかな…？」
と言って目を逸らし、綺麗に染まっている金色の髪をいじっている。
『ううん、末澤くんの隣で授業受けるの楽しいよ？』
「え！？ホンマに！？」
がばっと勢いよく私を見て、満面の笑みを浮かべている。しかしバチッと視線が絡まると、今度はサッと顔を背けた末澤くん。だが金髪から除く耳が真っ赤に染っているのは隠しきれていない。
なんだ、そういう事か。
あまりに可愛らしい反応を見せてくれる彼に、思わず笑いが込み上げる。
『ふは、あはは！』
「…え？」
何が何だかわからないという表情を浮かべる末澤くん。こんなにもわかりやすいのに、なぜ私は今まで気づかなかったのだろう。
『末澤くんってさ、以外と不器用なんだね。』
「は」
だってそうでしょ？急に隣に座る様になったり、徐々に話しかけてくれる回数は増えたのに、一向に言葉には出してくれない。
『かわいい、末澤くん』
「っ！！そんなん！Aさんの方が…！あ、」
しまったと言う表情で口を抑え、ますます顔を赤くする末澤くん。そのまま顔を隠すようしゃがみこんでしまった。
「…ほんまは、もっと仲良くなって、ちゃんと出かけてから言うつもりやって…」
「うん、」
ぽつりぽつりと言葉を並べていた彼は、意を決した様に立ち上がり、まっすぐ私の前に向き直り
「あーもう！！好きです！！Aさんが！！」
と、まっすぐな思いを伝えてくれた末澤くん。あまりの勢いに圧倒されていたが、すぐに愛しさが込み上げてきて
『私も、好きです。末澤くんが。』
真っ直ぐ見つめるてそう言うと、末澤くんは少しフリーズした後、よっしゃあ！と言いながらガッツポーズをした。
とても嬉しそうに笑う彼に、釣られて私も笑顔になる。
「なあ、名前で呼んでもええ…？」
『もちろん、誠也くん。』
「っ！！不意打ちは卑怯やん！」
人気者の彼の少し意外な一面に、まんまとハマってしまいました。
かわいこぶりっこ【嶋崎】→←「以外と不器用なんだね」【末澤】
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作者名：シキ | 作成日時：2023年6月22日 15時
