I’m in love with you. (ページ26)

今日:18 hit、昨日:17 hit、合計:38,497 hit

. ページ26

.
.

あ、もしかして私凄いこといったのでは…？そう思うと恥ずかしさで更に顔が熱くなった。

｢…お嬢さん、それはずるいわ…｣

そう言って口元を手で抑えている正門くんがため息をつく。

｢Aちゃん、男は単純やから直ぐに勘違いしてまうんよ。特にAちゃん、かわいいんやから危機感持って気をつけた方がええで？｣

心做しか正門くんの顔も赤く見えるのはきっと気の所為だ。

『は、はい。…でも、正門さんやったらほんとに安心出来るといいますか、』

｢いやいや！言ったそばから！そういうとこやで！？ほら、タクシー来たからいくで！？｣

そう言ってタクシーの停まっている所まで案内してくれる。タクシーに乗り込んで住所を言うも、一向に乗ろうとしない正門さん。

『正門さん、乗らないんですか？』

｢ん？ああ…そら男と密室で近くにおるのは怖いやろうから、俺はほかのタクシー捕まえるから気にせんといて？｣

そんな気遣いまでしてくださるのは有難いが、むしろ知らない運転手の方と2人っきりの密室の方がよっぽど怖い。

『そんな…ひとりにしないでください。一緒にいてほしい…です。』

そういうとまた正門さんは深いため息をつき、

｢ほんまに…それはあかんやろ…お嬢さん。｣

と、言いつつも乗り込んでくれた正門さん。密室の近い距離で緊張はするが、恐怖心はなかった。

今日は最低で最悪な1日だったけど、こんな素敵な出会いがあるなら、悪くない日だったなんて思えた。