溶ける【福本】 ページ18
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幼馴染でふたつ年下の大晴とは、幼稚園の頃からの付き合いで、お互い高校生になった今でも家を行き来するのはしょっちゅうだった。
炎天下の今日も、大晴の部屋でいつもの様にだらだらしていた。
『なぁ、アイス食べたない？』
「…はいはい、取ってくればええんやろ？」
『ありがとう大晴〜』
従順な大晴は立ち上がって部屋を出た。
私は読んでいた漫画の続きを取ろうと本棚へ行くと、漫画の並んでいる裏になにかサイズの違う雑誌が挟まっているのが見えた。
気になって取り出すと、表紙には水着の女の子が数人絡んだポーズを取っており、いかがわしい本だと気づいた。
大晴ももう高校生やしなぁ。大きなったなぁ〜
なんて成長を感じてしみじみしつつ、ベッドに座って雑誌をパラパラとめくっていると、大晴がアイスを2つ持って部屋に戻ってきた。
『あ、おかえり〜』
と平然に言うと、私の手元にある雑誌を見た瞬間、一気に顔色を変えた大晴。
「は！？ちょ！！何見とるんよ！！」
慌ててバッと私から雑誌を奪って背に隠すと、ほんのりと顔を赤くしながらじろりと睨まれる。その様子が可愛くてつい揶揄いたくなる。
『ふふ、大晴もオトコノコやな〜？』
ニヤニヤしながらそう言うと
「ちゃ、ちゃう！！これは友達から預かっとって…」
なんて目が泳ぎながらバレバレの嘘をつく大晴。
『ええやん、そういうお年頃なんやから普通やろ。恥ずかしがる事ないって！』
「いや！だからちゃうって！」
『貸してみ？大晴の好みの子当てたるから！』
「ええって！！あっ！ちょ？！」
と、大晴から雑誌を奪おうとすると抵抗され、ヤケになって必死に取ろうとすると足が滑ってベッドに2人してダイブした。
「あ、ごめ、ん…」
『あ、いや…』
気づいた時には大晴に押し倒されているような形になってしまった。
逞しくなった体に、汗の伝う首筋、整った顔立ちに、お腹の奥がムズ.ムズする。
バチッと視線が絡まると、ぶわっと一気に顔を赤くする大晴。あまりにも可愛らしい様子に
『なぁ、お姉さんが色々教えたろっか？』
と、気づけば口走っていた。
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作者名：シキ | 作成日時：2023年6月22日 15時
