I’m in love with you. (ページ16)

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「ずるいってぇ」【長尾】ページ16

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私の会社は月1ペースで飲み会があり、お酒も弱くない私はいつも終電でシラフ同然のまま帰ることが出来ていた。

しかし今日はお酒があまり得意じゃない後輩も参加していた為、さり気なくカバーして上司から勧められたお酒を後輩の分まで飲んであげていたりした。

最近の疲れも溜まっていたせいか、終電の頃には稀に見ない程に出来上がってしまっていた。

なんとか意地でタクシーを呼び、自力で自宅まで辿り着いた。
しかし玄関に入った瞬間、安心したせいか一気に力が抜け、ドタンと玄関に座り込んだ。心做しか酔いも回ってきている気がする。

「なんかすごい音したけど…ってどうしたんAちゃん！？」

私の帰りを待ってくれていた謙杜がリビングから顔を出すや否や私の姿を見て、慌てた様子で駆け寄ってくれた。

『ただいまぁ、謙杜…ちょーっと飲みすぎちゃって、ね。』

ぼんやりとした意識の中、そう伝えると彼はかなり驚いているようだった。そういえば、最後に酔っ払ったのは大学二年の時以来で、謙杜に酔った姿をみせるのは初めてだった。

「大丈夫？？あ、まって水飲んだ方がええよな？待って取ってくる！！」

そう言ってパタパタとリビングへ行ってしまった謙杜。慌てつつも介抱しようと頑張ってくれている姿に思わず頬がゆるむ。

「水！！持ってきた！！しんどいかもしれんけど飲んで！！」

そう言って水の入ったコップを差し出してくれる謙杜。ありがとう、とお礼を言って受け取って口に運んだものの、上手く飲めず少し口の端からこぼれてしまった。

彼のゴクリと息を飲む音が聞こえた気がしたが、酔っ払った頭では何も考えることができない。

「俺、介抱とかしたこと無いからあんまりわからんのやけど、辛かったらすぐ言うてな？」

この前20歳になりたての子に介抱してもらうなんて申し訳ないが、歳下ながらも頼りがいのある彼に素直に甘えたくなった。

「えっと、とりあえずココじゃ冷えちゃうし、ベッド行かこか？立てる？」

『ん〜…力、入らないかも…』

そう言うとひょいっと私をお姫様抱っこをしてくれた彼。華奢に見えるがしっかりと私を担げるほどの筋肉量にきゅんとして、そのまま彼の首に腕を回してきゅっと抱きつく。