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ぼうっと見惚れている間にA先輩は既に商品を取っていて、"レジお願いしていい？"という声でハッと意識を取り戻した。
「あ、すみません。すぐに！」
いつもと同じ、水と動物の形のキャンディ。今日はうさぎの形をしたものだ。レジに通し、会計が終わる。
『はい、これ。』
｢え、あっ…｣
またいつもの様に渡されるキャンディ。そうや、今日はこのキャンディの理由を聞こうと思ってたんやった…！
『じゃあ、頑張ってね。大吾くん。』
｢え、あ、あの…！！！｣
『ん？』
勇気をだしてA先輩を引き止めた。だが緊張と焦りで上手く言葉が出てこない。キョトンとした顔で俺を見つめるA先輩が可愛くて、さらに緊張する。
｢あ、その…なんでいつも、このキャンディくれるの…かなって…｣
なんとか言葉を繋ぎ、漸くA先輩に聞くことが出来た。
するとA先輩はふっと微笑んで
『なんか、大吾くんって小動物みたいじゃない？』
｢…へ？｣
『びくびくしててかわいいなーって。だからこのキャンディに似てるなって思ってて…あ、キャンディとか苦手だったりした…？』
｢いや、そんな事はないです、けど…｣
『よかった。じゃあ、はい。』
さりげなく可愛いと言われ、思考が停止している間にA先輩は俺の腕を取り、キャンディを手のひらにのせ、そのままキャンディを握らせるように、俺の手ごと両手でぎゅっと包み込んだ。
｢…！？、っあ｣
A先輩の手が！！俺に！触れてる！！！白く、そしてすらっと細長い指なのにどこか柔い感触に、心臓が異常事態のサイレンのように鳴り響く。
顔もみるみる熱を増していくのが自分でも分かるくらい紅くなっていた。
そんな俺を見てまた天使のような微笑みを浮かべた先輩は
『じゃあ、またね。』
と言って立ち去って行った。
こんなにも分かりやすい俺の反応を見て、先輩は何を思っているのだろう。
俺の中で、丈くんとの会話を思い出し、"弄ばれている"
という言葉がどうもしっくり来た。
反応が面白いからだろうか。所詮俺なんてA先輩にはその程度の男だろう。
じくじくと痛む心臓と、"先輩になら弄ばれたっていい"
という、何とも矛盾した考えが浮かぶ。
どうせなら貴方にもっと翻弄され、溺れたい_____
こんな俺はもう手遅れだなんて、とっくに分かりきっていた事だ。
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シキ(プロフ) - memeさん» コメントありがとうございます。有難いです、これからも内容に悩みつつですが更新していきますので、これからもこちらの作品を宜しくお願い致します。 (2023年4月8日 3時) (
レス) id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
meme - 投稿楽しみに待っておりました！楽しく拝見させて頂いております。これからも更新頑張ってください！ (2023年4月7日 22時) (レス) id: 256fd9f9cd (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - ともさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉が頂けて幸せです、マイペース更新で申し訳ないです、これかれも楽しんで頂けたら幸いです。 (2022年10月18日 0時) (レス) id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 楽しく読ませて貰ってます！更新頑張って下さい😊 (2022年10月13日 21時) (レス) @page25 id: 9dbca4abe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シキ | 作成日時：2022年5月29日 5時
