誤解 ページ29
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軽く挨拶をした後、駿佑さんは気を使ってお茶を出してくれることになった。
キッチンのとなりのテーブルで何故か好きな人の家で好きな人の彼氏さんとお茶をするという地獄のような状況にまだ頭がついてきてない。
｢以前少しだけお会いしましたよね。｣
｢へ？あ！はい！｣
駿佑さんに話しかけられ、思わずビクッとしながら返事をした。
｢あの時は、急にお邪魔しちゃってすみません。｣
｢い、いやいや！俺の方こそお邪魔やったというか...！｣
そう言うと駿佑さんはきょとんとした顔で俺を見つめていた。
｢A先輩の...彼氏さんなんですよね？｣
自分で口にしておきながら、少しダメージを負い、俯いていると、少し間が空いたあと、帰ってきたのは何故か駿佑さんの笑い声だった。
｢あははっ！！...彼氏やないですよ？僕。｣
｢へっ！？...いや、でも！！｣
｢僕、Aの弟です。｣
.....は？.....あまりの衝撃の言葉に、思わず思考が止まってしまう。
｢姉から聞いてるかと思ってました。｣
｢え、あ...｣
ということはつまり、俺は勝手に勘違いしてA先輩を避けて...うわ、俺最低やん。
｢まあ、苗字も違うし、顔も全然似てへんから無理無いです。｣
あ、そういえば...。姉弟なのに顔はまだしも、苗字まで違うのは確かに不思議だ。何かしらの事情があるのだろうが聞くに聞きづらい。
何を話そうか迷っていると俺の思考が伝わったのか、駿佑さんがまた口を開く。
｢僕たち、血が繋がって無いんですよ。｣
｢えっ...あ、すみません。｣
｢いやいや、僕はそんなに気にしてへんので、血なんかつながって無くても、僕にとって充分立派な姉なんで。｣
駿佑さんは、はにかみつつも優しい笑顔でハッキリとそう言い切る。その表情や声音から、どれだけA先輩の事を大切に想っているのかが伝わった。
｢ほんまに...素敵な姉弟ですね。｣
思わず口から漏れた言葉が少し偉そうで続けてあ、すみません！と謝罪をした。すると駿佑さんはA先輩のように綺麗な顔を嬉しそうに緩めて笑った。
あ、笑い方似とるなぁ...なんて事をふと思った。
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シキ(プロフ) - memeさん» コメントありがとうございます。有難いです、これからも内容に悩みつつですが更新していきますので、これからもこちらの作品を宜しくお願い致します。 (2023年4月8日 3時) (
レス) id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
meme - 投稿楽しみに待っておりました！楽しく拝見させて頂いております。これからも更新頑張ってください！ (2023年4月7日 22時) (レス) id: 256fd9f9cd (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - ともさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉が頂けて幸せです、マイペース更新で申し訳ないです、これかれも楽しんで頂けたら幸いです。 (2022年10月18日 0時) (レス) id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 楽しく読ませて貰ってます！更新頑張って下さい😊 (2022年10月13日 21時) (レス) @page25 id: 9dbca4abe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シキ | 作成日時：2022年5月29日 5時
