急展開 ページ12
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あの後特に案は出ず、連絡先交換の方法も、普通の女の人ならまだしも、A先輩相手の自然な交換方法なんて思いつくはずも無かった。
そのまま今日はバイトも無いので久々に図書館に向かった。明日、提出の課題を終わらせ、そのまま読書でもしようと思っていたのだ。
俺の特等席はやっぱり空いており、そこでパソコンと睨めっこしながら課題を進めた。
A先輩を認識した、あの日の事を思い出し、また会えないかな、なんて淡い期待を持ちつつ、課題に集中した。
一時間程経った頃に課題は無事終わった。辺りを見渡しても人影ひとつない。やっぱりそう簡単には望むとおりにはならへんよな…。
なんて少しガッカリしつつ、小説を開く。自分の心情に引っ張られているのか、最近はついつい恋愛小説を手に取ってしまう。
望みの無い片想いをしている主人公に、ついつい感情移入をしてしまう。集中して読み進めていると、一際大きい風が吹いた。
窓を閉めようかと、ふと顔をあげた時____
『風、いまの凄かったね。』
窓際には、俺の会いたいと望んでいた人が佇んでいた。
風に靡く黒髪、夕日の差し掛かった横顔、白い肌に影を落とす睫毛____彫刻の様なその美しさに、また俺は見惚れてしまう。
｢A…先輩。｣
『偶然だね、大吾くん。なんか…大学内で会うの、新鮮だね。』
いつもの様に上品に微笑むA先輩。忙しなく動く俺の心臓に、なんだか笑えてしまう。
『窓少し閉めるね。』
｢あ、ありがとうございます。｣
そう言って窓を閉めたA先輩はそのまま俺の向かい側の席に着いた。そして机の上のパソコンを見つめていた。
『あ、課題してた？…邪魔しちゃったかな？』
｢え、いや！もうぜんぜん余裕で終わってるんで！大丈夫です。｣
恐らくパソコンを見て、課題中なのか疑ったのだと思う。
俺は大丈夫、という事を表すように急いでパソコンを
カバンの中に片付けた。
『そっか、よかった。』
｢えっと、A先輩はどうしてここに…｣
『私は、ちょっと時間潰しに。』
そう言って髪をかきあげる仕草の一つ一つが美しい。するとA先輩はまた、俺の手元に視線を落とした。
『その小説、今度映画化するよね。』
｢へ、あ、らしいですよね…！確か一週間後位に公開やった気がします。｣
バイト中の様に世間話をするA先輩。大学内でも話しているだなんて、なんだか不思議な感覚だ。
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シキ(プロフ) - memeさん» コメントありがとうございます。有難いです、これからも内容に悩みつつですが更新していきますので、これからもこちらの作品を宜しくお願い致します。 (2023年4月8日 3時) (
レス) id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
meme - 投稿楽しみに待っておりました！楽しく拝見させて頂いております。これからも更新頑張ってください！ (2023年4月7日 22時) (レス) id: 256fd9f9cd (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - ともさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉が頂けて幸せです、マイペース更新で申し訳ないです、これかれも楽しんで頂けたら幸いです。 (2022年10月18日 0時) (レス) id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 楽しく読ませて貰ってます！更新頑張って下さい😊 (2022年10月13日 21時) (レス) @page25 id: 9dbca4abe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シキ | 作成日時：2022年5月29日 5時
