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西畑大吾、只今大学二年生。比較的地味。高嶺の花の虜になってしまった憐れな男のひとりだ。
「ええな〜大ちゃん！！あのA先輩とお近づきになれて！！」
ニカッと眩しい笑顔で学食を頬張っているこの男ははっすんこと大橋和也。俺の数少ない高校時代からの友人だ。
「いや、そんなちゃうよ。ほんまに、挨拶程度しか話さへんし…先輩やって俺になんの感情も無いと思う…」
「せやけど！！あのA先輩やで？！話せるだけでも羨ましいわ〜」
AA先輩、俺たちのひとつ上の大学三年生。
彼女はまさに高嶺の花と呼ぶに相応しい存在である。
某有名企業グループのご令嬢で、成績優秀、容姿端麗、オマケに性格まで良い。絵に描いたような完璧さで、この大学内での有名人だ。
東京から関西の大学に進学されていて、標準語な事も
目立つ理由のひとつだろう。この大学内の異性だけではなく、同性も、この学校の誰もがお近ずきになれる日を夢見ている。
「俺も大ちゃんの働いとるコンビニでバイトしよかな〜？」
「やから誘ったやん…遅いわ。もう求人してへんよ。」
「やってA先輩の行きつけのコンビニやなんて知らんかったもん〜！！深夜のコンビニバイトとかキツそうやし！！大ちゃんは偉いわァ」
そう、俺の家は平凡な家庭で、下にまだ弟が2人もいる。
親に負担を掛けたくないので学費や生活費はなるべく自分で稼いでいる。
「俺だけ偉いんちゃうよ。俺よりもっと大変な人もおるし、はっすんやってサークルと授業とバイトの両立がんばっとるやんか。」
「…ほんっまに、大ちゃんええ奴過ぎるって！」
はっすんはそう言ってくれるが、俺はそんなにできた人間ではない。
「あ、噂をすればA先輩や」
はっすんの視線を辿ると、学食のすぐ側の廊下を歩くA先輩を見つけた。
今日も凛とした佇まいで、真っ白なワンピースで歩いている彼女はまさに白百合の様。
苦学生の俺との住む世界の違いを今日も思い知らされる。
「はぁ〜、ほんまに綺麗やなぁ…モデルさんやん。俺あの廊下が一瞬ランウェイに見えたもん。」
「わかる、流石よなぁ。」
ぼーっと見ていると、一瞬、先輩に微笑まれた様な気がした。
「え！！今A先輩こっち見んかった！？」
はっすんの興奮する声に、そう思ったのは俺だけでは無いと思い知る。
「いや、勘違いやろ。」
そう、彼女は高嶺の花。俺はそれに群がる虫の中の1人でしかない。
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シキ(プロフ) - memeさん» コメントありがとうございます。有難いです、これからも内容に悩みつつですが更新していきますので、これからもこちらの作品を宜しくお願い致します。 (2023年4月8日 3時) (
レス) id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
meme - 投稿楽しみに待っておりました！楽しく拝見させて頂いております。これからも更新頑張ってください！ (2023年4月7日 22時) (レス) id: 256fd9f9cd (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - ともさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉が頂けて幸せです、マイペース更新で申し訳ないです、これかれも楽しんで頂けたら幸いです。 (2022年10月18日 0時) (レス) id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 楽しく読ませて貰ってます！更新頑張って下さい😊 (2022年10月13日 21時) (レス) @page25 id: 9dbca4abe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シキ | 作成日時：2022年5月29日 5時
