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脆い光 ページ38

天馬side

Aは昔から“綺麗”だった。

”綺麗“と言うのは外面は勿論だが、中身、佇まい、
何もかもが綺麗としか言いようがない程に
美しいのだ。

今だって少し愚痴を零しても、それを否定はせず
Aは全員を思いやる。

本当に、天性の人たらしと言っても過言ではない。
まあ俺もたらしこまれた1人なのだが。

こんな人間が物心ついた頃からそばに居て、
魅了されない方がおかしいだろう。

現にこうして隣に座って話しているだけで
単純な俺は今まで撮影で疲労した体が回復した様に
軽くなっていった。

天馬「そういえば、こんな時間まで1人で談話室で何してたんだ?」

「え、あ、ちょっと…ぼーっとしてたらいつの間にかこんな時間になってたというか…」

少し焦ったように答えたAに違和感を持ちつつも
話を進める

天馬「明日は早くないのか」

「うん、この前撮影もひと段落したから、もう
秋組公演に集中かな〜、天馬くんは?」

天馬「朝から学校がある」

「わ、それは早く寝なきゃだね!」

そう言ったAは立ち上がったかと思うと、直ぐにソファーに勢いよく座った。

いや、正確には崩れ落ちたという方が正しいだろう
心無しか表情が歪んでいる気がした。

天馬「…おい、」

「あ、あれ〜!?ちょっと疲れてるのかも!!」

天馬「A、」

「天馬くん明日も早いよね!先に部屋戻ってていいよ!」

天馬「何か隠してんだろ。」

そう言うと、今まで焦った様に早口で話していた
Aの動きが急に止まった。

「…天馬くんの目は、誤魔化せないか…」

そう言ってAは右脚のズボンの裾を捲る。
そこには、赤く腫れた足首があった。

天馬「おい!これ相当酷いぞ!?」

「実はひったくりの時に捻っちゃったみたいでさ…」

病院は…と聞きかけて中断する。
Aが病院に行く暇なんて無いスケジュールなのは、俺が一番分かっている。

「皆には、内緒にしてて貰えないかな。」

これはAの悪い癖だ。自分の弱みを隠す。
前は本当に誰にも打ち明け無かったが、今は俺に話してくれただけ、マシになっただろう。

「秋組はもう立ち稽古に入るし、仕事も落ち着いてきてるとこだからさ!」

苦しそうに笑うA。
本当にAは、脆く、危うい

まるで美しい夜空の星みたいだ。
いつ消えてしまうかわからない。

俺が、そんな事はさせない。

天馬sideEND

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作品ジャンル:恋愛
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シキ(プロフ) - らいふらいむさん» コメントありがとうございます。原作と違和感無いかを気にしていたのでそう言って頂きうれしいです。本当にありがとうございます!更新、なるべく早くできるよう心がけます! (2020年5月14日 3時) (レス) id: 3de2eab1b1 (このIDを非表示/違反報告)
らいふらいむ - 原作沿いなんですね!原作全部見てるのに、まるで夢主くんが原作からいたような雰囲気で、スイスイ読めました!違和感なく書けるシキさん尊敬します!すごく面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月10日 1時) (レス) id: 66e224bbaa (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます!なるべく早い更新を心がけます! (2020年4月28日 21時) (レス) id: 3de2eab1b1 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 面白すぎます!更新楽しみにしてます!更新頑張ってください!応援してます! (2020年4月21日 2時) (レス) id: 0a80c4d22b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シキ | 作成日時:2019年8月15日 2時

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