愛のカタチ Ⅱ (ページ28)

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彼はいつも正しいページ28

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「うわっ、大雨じゃん」

講義が終わって外に出ると、朝は快晴で雨なんて降らないと思っていたのにそれを裏切る大雨で、多くの学生が立ち尽くしていた。
...そんな中、私は今朝無理やり持たされた傘をさして歩きだす。

大学から少し離れた場所に見慣れた黒塗りの車を見つけると、運転席からジュンミョンが出てきて、満面の笑みで私を見つめる。

JM「おかえりなさいませ。お嬢様」

「あーくやしい。天気予報も晴れだったし絶対雨は降らないと思ったのに。」

JM「実はあまり自信はなかったんですけどね。また僕が正しかった。」

私の父親は世界に名をとどろかせる会社を経営していて、財閥までは及ばないけれど、そこそこ金持ちだ。幼いころから蝶よ花よと育てられた...わけではなく、自力で生きろをモットーにする父により弟と同様に厳しく育てられた。９歳年上のジュンミョンは、うちの使用人の息子として同じ敷地で育ち、小学生の時は遊び相手として、高校生の時は家庭教師として、上のきょうだいがいない私にとっては実の兄のような存在である。ジュンミョンは有名大学・大学院を卒業したのち、父の会社に就職するかと思いきやなぜかうちに戻ってきて私の世話を焼く毎日だ。

JM「はい、着きましたよ。ベッドに寝そべって漫画を読む前に経営学の課題終わらせろよ～」

「 ...なんで経営学の課題が出てること知ってるの」

JM「言わなかったっけ？担当の准教授、僕の同期なんだ。ハハッ」

何も面白くないし。お気に入りのレモンスカッシュと友達に借りた漫画を読むのを楽しみに今日一日頑張ったっていうのに。でもジュンミョンが言っていることは間違いじゃない。彼はいつも正しいんだ。

自分の部屋に入って鞄なんて放り投げて、真っ先にベッドにダイブ。あー、今日も疲れた。這うようにして鞄まで行ってお待ちかねの漫画を手に取る。

JM「ちょっと？お嬢さん？」

「 ...ゲッいつの間に」

車を止めに行って私よりだいぶ後に家に入ったはずのジュンミョンが、ベッドの横に立って私を見下ろしている。あ、この顔は説教しようとしてるな。また私の負けだ。

JM「まったく、今日やらないでいつやるつもりだったんだよ。ほら、終わるまで預かっといてやるから、貸して。」

昔から意志が弱くて集中力が続かない私は、こうやってジュンミョンにうまく助けられてきた。彼がいなかったら、私は今頃どうなっていたのだろうか。