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SE「 いいか、お前はもうジョンインじゃない。人型ロボットの カイ だ。
俺のことはもう忘れろよ。アンタには兄弟なんていないんだ。 人間じゃないんだから。」
義弟、セフンは国選弁護から企業弁護まで幅広く活動し、若いのに有能な弁護士として注目を集める傍ら、マフィアの違法行為や政治家の汚職行為を抹消するなど、金さえ貰えば何でも行う悪徳な面も持ち合わせている。
彼にとっては私が犯した罪なんて日常茶飯事であるようで、新しく交付された身分証を私に投げてよこした。
SE「 俺が勝手にやったことだし、金は要らないよ。 ヌナ 。
じゃあ、アンタの記憶だけごっそり抜けたロボットと仲良くやれよ 」
思わず彼の手を握った私を一瞥して、セフンは去っていった。
JI「 あの... 今のって本当に、 セフン ですか？ 」
セフンもまた、ジョンインの死によって変わってしまっていた。５年前はこの世から悪を根絶させてやる、なんて言ってキラキラした目を持っていたのに、今では冷たい目で、自らの手で悪を作り出している。
「 あの、 私のこと、本当にわからない？ Aって憶えていない？ 」
ここまで時間こそはかかったものの、すべてのテストにおいて良い結果だったし、
今だって心拍も、血圧も何の問題もない。...記憶以外は。
JI「 ... ごめんなさい。 あの日、事故に遭ったことは覚えているのに、
あなたのことは わからない。 俺は、 どうしたら、、、 」
「 ...っ あなたは、ジョンインじゃなくて、カイとして私のそばにいてくれたら、
それでいいの。 それで、、、 」
・・・
あの日、 世界規模でテロが多発し、大勢の人がいなくなってしまってから世界は大きく変わってしまった。 国政はストップし、行政も破綻して、瞬く間に無法地帯と化し、国の滅亡を危惧した新政府が私たち研究者に多額の資金援助をしたおかげで科学、医療は急発展し、死因がガンなんてありえないことだし、人工知能を持った人間(ヒューマノイド)と家庭を築くことさえできるようになった。
そして、ジョンインーカイが一般のヒューマノイドと異なる点は全く新しい個体ではなく、”存在していた”人間が生前の記憶をもって生まれ変わったことであり、倫理的な観点から研究者の間では研究することさえ許されないタブーな分野である。
「 もう疲れちゃった。 今日はもう寝ましょう。 ...カイ 」
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作者名：セナ | 作成日時：2018年9月19日 22時
