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「 うっ… 」
SE「 くっさ。女物ですかね？ 」
「 なんでそんな平気そうなの？ ああ、いつも嗅いでるから？」
SE 「 なわけないでしょー！ ヌナの下についてから仕事とヌナが恋人ですー 。 写真写真、っと 」
不法滞在者がどうやって借りたのか、まあまあ高そうな物件だ。それにしても、匂いがキツすぎる。頭がおかしくなりそう。
「 ねえ、 この匂いって… 」
SE 「 あ、 ヌナも感じました？結構経ってそうだなぁ… 風呂場かな？ 」
「 わ、わたし他のとこ見るから、行ってきて 」
SE 「 はーい。バッチリ撮ってきまーす 」
明らかにあの匂いを無理やり香水で隠している。しかし現場の人間は鼻が効くもので、微かに香る想像したくないものの存在がわかってしまう自分が憎たらしい。
SE 「 ヌナー！ ビンゴ！真っ赤っかですよ！うわー、酷いなあ 」
「 そんな叫ばなくていいから、さっさと捜査部長に連絡して鑑識に来てもらって。余計なことしないでよ？ 」
SE「 わー！脳みそ出てます！ヌナもみませんか？ すっごいなぁ 」
「 わーわーわー！ うるさいうるさい！」
あんなガキは放っておいて、わたしは自分ができることをしなきゃ。
クローゼットには女物ばかり。おかしい。被害者は男性のはずなのに。
ん？ この部屋は？
「 セ、セフナ… 」
SE 「 何か見つけたんですか？ 」
別室のドアを開けると、そこにはネコの死骸……とバラの花、そしてメッセージカード。
SE 「 "alea iacta est" … "賽は投げられた" 」
「 カエサル？ 何か関係があるの？ 」
SE 「 ヌナ、今日は帰りましょう。なんだかここにいてはいけない気が… 」
「 … セフナ？ ちょっと、 仕事中っ 、」
突然ドアにわたしの背中を押し付け、顔を近づけた。
"盗聴と盗撮されてる"
「 は？ちょっ、 ん… 」
カモフラージュのためだろう。恋人同士がするような甘いキスをしてきた。まったく、上司に向かって…
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LH「 盗撮… それはその部屋だけか？ 」
SE 「 ええ。おそらく。この事件、例のヤツの仕業じゃない気がします。 」
LH 「 … そうかもしれないな。おかしな点が多すぎる。とにかく、お前たちが無事に帰れてよかったよ。 」
鹿部長はそう言って微笑むと、神妙な顔つきで、张警部になにやら中国語で指示をした。
SE 「 ヌナ、 僕たちはとんでもないことに巻き込まれているのかもしれません… ワクワクしてきました！」
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作者名：セナ | 作成日時：2018年9月19日 22時
