愛のカタチ Ⅱ (ページ19)

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「それでさ、取引先のパクさんがね… 」

JM「 A、」

「そしたら部下のドさんが… 」

JM「 A 」

「ん、？どうしたの？」

美味しい料理と、大好きな人を目の前にするとテンションが高ぶってひたすら喋り倒してしまう私の悪い癖。いつもはニコニコ顔で聞いてくれるのに、今日は途中で遮られてしまった。

JM 「僕の話、聞いてくれないか」

「ジュンミョナの話？あー、可愛い可愛いオさんのこと？」

JM 「確かにセフナは可愛い… じゃなくて、僕と、君の話。」

まだ美味しいステーキを食べている途中なのに、カタンとナイフとフォークを置いたジュンミョナにつられて私も口をお休みして彼を見つめる。

JM 「しつこいかもしれないけど… 後悔していない？」

「何を？部署変わったこと？」

JM 「違う。仕事の話は置いておいて、その、僕と入籍したことについて。」

「してるわけないじゃん！変なオジサンに絡まれることもなくなったし、ジュンミョナが程よく散らかしてくれるお陰で毎週末片付けでスッキリできるし！」

何とかさんというハゲおじさんは入社した頃からやたらと声をかけてきてウザかった。

彼は大雑把で片付けが苦手。私は細かくて掃除が大好き。
週末になると平日できない分、掃除をするのだけれど彼のスペースだけやたら散らかっていて、
掃除でストレスを解消できる私にとってはこの上ない存在だ。

JM 「そっか。 ….僕はもちろん後悔なんてしていないよ。こんな形だけど君と一緒になれて良かったと思ってる。」

「どうしたの、改まって」

JM 「僕らはお見合いでもなければ、恋愛結婚でもない、不思議な関係で始まった。… だからこそ、ちゃんと伝えないといけないと思ってる」

「うん、」

JM 「好きだったんだ。ずっと。入社式で初めて会った時から。」

「へ、」

JM 「だから… そうだな、同じ墓に入ることを前提に、付き合ってもらえませんか。」

同じ墓って何だよ、と思いつつも私はキム家に嫁入りしたんだからそれもまあ当然のことで。

しかし、驚いた。私も彼のことが好きだったのだ。
好きだった、というより彼は仕事と結婚するタイプの人だと見てその気持ちに蓋をしていたんだった。いつのまにか気を紛らわすために没頭したつもりが、仕事に楽しさを見出してしまって大事なことを全て忘れていた。

これはもはや運命としか言いようがないんじゃない？

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