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彼女を呼んだ。話をしようって。
Aが本当に好きなのは俺じゃない。
臣さんだって。
臣さんもしっかりけじめつけたみたいだから、
俺も切り替えなきゃなって。
「何?話って」
「A、振り回してごめん」
「いきなり何?」
笑いながらそういう彼女は本当に可愛くて
このまま話してたら、
多分踏ん切りがつかなくなる。
「A、俺のこと振ってくんね?」
「…え、何、言ってるの、玲於」
「俺じゃねぇんだよ、」
「、え?」
「お前が好きなのは俺じゃねぇんだよ!
もうわかってるでしょ?」
つい、声を荒げてしまった。
後戻りはできない環境を作って、
自分に鞭をするために。
そうしないと、本当に、
俺は、沼から抜け出せなくなる。
「俺は、好きだよ。
ずっと好きだったよ。Aのこと。」
「だったら…!」
「でも、俺が好きなのは、今のAじゃない。
…悔しいけど、
臣さんのことを好きだって言ってたAが好きだった」
だから、最初から、叶うことなんてなかったんだ。
…こんなこと言うけど、実際は知ってたのかもしれない。
彼女の、臣さんを見続ける一途な視線が好きだったんだって。
「でもさ、俺、ちゃんと好きだから。
…諦められないから。
だから、Aから、ちゃんと振ってほしい。」
Aが、ちゃんと自立できるように。
涙を浮かべて、
固まったままのAが、
やっと、事実を噛み締めて来たかのように、
冷静になって。
少しの間をおいて、
大粒の涙を零しながら、
「玲於、
私と、別れてください。」
笑顔で、ありがとうって言って。
それを聞けただけでもういいや。なんて。
彼女の後ろ姿を見て、
涙なんて流すなんて、
いつから俺はこんなに女々しくなったんだろう。
「好きだったよ。」
だった。なんて、
ただの強がりだけど。
「臣さんとお幸せに、A」
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更新遅れてすみません!!
もう少しでお気に入り1000人!
行ってから完結したいな、
とか思ってグダグダしてたんですが、笑
もう後一、二話で完結です!
夏休み中にさせます!
最後まであたたかい目で見守ってやってください。
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あずき(プロフ) - 一番希望です! (2017年12月27日 12時) (レス) id: cea6fd62c5 (このIDを非表示/違反報告)
チョビ(プロフ) - 2番希望! (2017年12月26日 14時) (レス) id: b31210f2a7 (このIDを非表示/違反報告)
Miwa .K(プロフ) - 2番かなぁ。 両方読みたいけど (2017年12月24日 7時) (レス) id: 8a2f48a030 (このIDを非表示/違反報告)
n(プロフ) - 2番がいいです〜! (2017年12月24日 2時) (レス) id: 355dfee24a (このIDを非表示/違反報告)
テッドちゃん。(プロフ) - 1がいいです!更新頑張ってください!! (2017年12月23日 20時) (レス) id: 75bdd88f4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月読 | 作成日時:2017年5月28日 3時