【我々だ】前世は確かにあった【学パロ】 (ページ3)

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2話ページ3

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「○○から転校してきました、紗波亜美です。宜しくお願いします」

ぱちぱちぱち

「…それじゃあ、窓際の1番後ろの席でいいか？」

「はい」

入った瞬間のどよめき、そして今送られる盛大な拍手にかなりの手応えを感じる。

やはりいつの世も美形の第一印象はとても良いらしい、様々な視線を受け取りながら席につく

「よろしく、ね…」

隣を見た時、再度思考がショートした

こちらを怪訝な空色の目で見る彼を、私は知っている、覚えている

「こね…」

「あ？」

「…いや、なんでもない。名前なんて言うの？」

「……コネシマや」

「そう。よろしくね、コネシマくん」

前世よりもかなりぶっきらぼうな態度に少しだけ笑ってしまいそうになるのを抑えながら席に着く

彼を、前世の仲間を見ると思い出してしまう。あの頃の景色を、喜びを、恐怖を、死を

昔は平気だった、感情を殺して仕事をこなせた、死に対して思いなんてなかったし、残すこともなかった

然し出来てしまった心の隙、誰かを思う瞬間、どうしようもなく失う事を恐れた夜

夢を見て汗に塗れ起きるのは日常茶飯事で、もう慣れていたかと思っていたのだが

彼に、彼らにはこの記憶を思い出させたくない。決していい事ばかりではなかった、痛みや死関する思い出、一気に甦れば壊れてしまう可能性だってある

どうか、誰も私を知りませんように、どうか、この手の震えが彼につたわっていませんように。