二十八 ページ29
・
「鬼殺隊と、またお会いになられたのですか。」
鳴女さんからの第一声はこれだ。
『……』
「こちらとしては、これ以上関係を持たれては困ります。あのお方によって閉じ込められる日も近いかと。」
『鳴女さんは、無惨さんの味方ですよね。』
「人間側につくおつもりで。」
『そうですね…私は人間ですし。』
「…左様ですか。とても残念です。」
鳴女さんからは凄く怒った匂いが増していってる。
次の瞬間目の前には、怒り狂う鳴女さんの顔。
『…ッ、!?』
「お前のような人間がッ、!あのお方のそばにいる意味が理解できないッ!!ましてや人間側につくなど、馬鹿げたことをッ!!身の程知らずめが…ッ」
私に放つ殺気に、腰が抜けた。
「おやおや…そこまでにしないと怒られるよ、鳴女。」
「…上弦の弐。邪魔をするな。」
「酷いなぁ、邪魔だなんて。でも、Aちゃんはあのお方のお気に入りなんだから、ダメだよ。」
収まらない殺気のまま、姿を消した鳴女さん。
私は童磨さんに担がれて、彼の部屋まで来た。
『……初めからいましたよね。』
「んー?バレてたかい?」
『趣味悪いですよ。』
「あそこで腰抜かしてたのに、まだ減らず口叩くとは!凄いねぇ、Aちゃん!」
さぞ楽しそうに笑っている童磨さんに対して嫌気がさす。
こっちがどんな気でここにいるか、彼には分からないだろうけど。いや、分かろうとしていないけど。
「で、どうするの?君はここから逃げるかい?それとも死ぬ?はたまた食われる?」
『…』
「先に言っとくけど、あのお方が帰ってきたら真っ先に報告するのは鳴女だろう。多分、君はまた痛い目をみる。ほら、昨日も散々してやられたんだろう?」
『私だって馬鹿じゃないので。それなりに策はあります。この命だって惜しくは無い。』
キョトンとする童磨さん。
とても憎ったらしい。しのぶさんの話を聞いてから、それはそれはもうかなり。
「へぇ…やっぱり面白いねぇ、Aちゃんは。これからあのお方に殺されるのに情が湧いちゃうなぁ。」
『…嘘ばっかり。私は無感情の貴方に言われた所で、なんの気休めにもならない。あなたに可哀想と思われれば思われるほど、言われれば言われるほど吐き気がする。』
真顔になった童磨さんに押し倒され、身動きが取れない。
でも、私の口はスラスラと物言いたげに動く。
『あなたの方がよっぽど可哀想ですね』
「…酷いね、君。」
……グチャッ!!
・
1583人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
入間(プロフ) - たくあんさん» 非常早いコメントで笑 ありがとうございます! (2020年4月27日 15時) (レス) id: faea9d84a4 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん - 完結おめでとうございますゥ(´;ω;`) (2020年4月27日 15時) (レス) id: a353fd29dc (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - ありがとうございます!! (2020年1月19日 18時) (レス) id: 41deac151f (このIDを非表示/違反報告)
入間(プロフ) - えむさん» 初めまして。ありがとうございます!出来れば更新をもっと増やして行けたらなと思います! (2020年1月19日 17時) (レス) id: faea9d84a4 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - 初めまして、突然すみませんこのお花とても面白くて大好きです!また宜しければ更新楽しみにしています! (2020年1月18日 20時) (レス) id: 41deac151f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:入間 x他1人 | 作成日時:2019年10月26日 23時