二十四 ページ25
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朝、冷えた布団の中で目が覚める。
横には私を見つめる、無惨さん。
痛む腰を庇いながら上半身を起こす。
『…おはようございます、無惨さん』
「…腰が痛むか」
『少し。』
昨日より遥かに機嫌が良さそうだ。
今日は外出しよう。
そのためにもっと機嫌を取らなければいけない。
『あの、町へおりてもいいですか。』
「ならば、」
『昨日、私を好きにしたのに…欲張りですね。』
そっと無惨さんの顔を手で包み、引き寄せてから接吻をする。
怒りの匂いもしないため、成功だろう。
『まだ足りぬというのであれば、帰ってきてからで。夕方には帰ります。』
「…あまり遠くへ行くな、わかったか」
『はい。行ってきます。』
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私が真っ先に来たのは、宇随さんに捕まった町。
鬼殺隊は基本鬼に合わせて夜動くが、朝も移動や見回り、情報収集もするそうなので、わざと見つかりやすいようにした。
もちろん、ちゃんと目的がある。
「おい。そこの女ァ。」
ほら、来た。
『はい?』
「お前、鬼の匂いがプンプンするなァ?どういうつもりだァ。」
『貴方は柱ですね?お話、宜しいでしょうか。』
彼は警戒心をむき出しにして、私と甘味処に来た。
『初めまして。私は五月女Aと申します。炭治郎と同じく感情などがわかるくらい、鼻がよく利きます。』
「お前が宇随の言ってたヤツか……俺は不死川だァ」
『不死川さんですね。では単刀直入に申し上げますと、私をしのぶさんの所に連れて行ってくれませんか?』
「あ゙ぁ?」
『今回に関しましては、訳ありなんです。少し状況が良くなくて…』
「俺が理解するような事があったって証明できんだろうなァ?」
『はい。』
「…来い」
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その後少し歩いた所に、見覚えのある蝶屋敷が見えた。
門まで来ると、しのぶさんが出迎えてくれた。
「あら………Aさん、不死川さんまで…」
『すみません、急に。お話がありまして。』
「また鬼の話ですか?」
『はい。』
「不死川さんもご一緒で大丈夫でしたら、どうぞ中へ」
『大丈夫です、お邪魔します。』
私はこれから話すことに緊張しつつ、覚悟を決めて中に入った。
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入間(プロフ) - たくあんさん» 非常早いコメントで笑 ありがとうございます! (2020年4月27日 15時) (レス) id: faea9d84a4 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん - 完結おめでとうございますゥ(´;ω;`) (2020年4月27日 15時) (レス) id: a353fd29dc (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - ありがとうございます!! (2020年1月19日 18時) (レス) id: 41deac151f (このIDを非表示/違反報告)
入間(プロフ) - えむさん» 初めまして。ありがとうございます!出来れば更新をもっと増やして行けたらなと思います! (2020年1月19日 17時) (レス) id: faea9d84a4 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - 初めまして、突然すみませんこのお花とても面白くて大好きです!また宜しければ更新楽しみにしています! (2020年1月18日 20時) (レス) id: 41deac151f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:入間 x他1人 | 作成日時:2019年10月26日 23時