二十 ページ21
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『無惨さん、無惨さ、ちょっ…待って、待ってください、あの、ほんとに、』
「私が待てと言われて待つと思うか?」
『普通は待つと思います!』
「私はある意味、普通ではない。」
なんて鬼なんだ、彼は。
私は帰ってきた途端、無惨さんに壁に詰め寄られている。
いやね?抵抗したよ?
無理に決まってんじゃん(失笑)
彼、鬼の頭。私、ひ弱な人間。
どーーーみたって無理。オーラから負けてる。ははっ。
「私が匂いをつけたというのに、お前は他の鬼の匂いが強すぎる。」
『累くんの家に泊まって来たので…』
「いつ私が許可した?いつ仲良くなれと言った?いつ、私の元を離れていいと言った?」
なんでそんなヤンデレなんだよ。
どうやら、全ての権利は無惨さんにあるようなので、もう私どうしようもありません。
『どうしたらいいんですか?』
「それなりの対価が必要だ。」
『対価とは、』
「抱擁、接吻、それ以上。」
何言ってんだ?(((
いや、……え?
『あの、お言葉ですが…私たち、そのような仲ではなかったと思うのですが…』
「では、今日からでいいだろう。」
『ちょーっと待ってください!?』
「なんだ。不満か?」
不満しかないですよ!!(失礼)
無惨さんは、顔がいい、財力がある、強い、守ってくれる、尽くしてくれる……。
ん?もしかして、ダメな所ない…?
いや待て、彼は鬼、私は人間。根本的なものが違う。
慣れですっかり忘れてた……。
『私は人なので、無惨さんが大切でもお付き合いはできません。』
「ならば鬼となれ。」
な ん で そ う な る 。
『鬼にはなれません』
「なぜこうも私が言うことを嫌がる。私は強い。鬼となれば永遠を共にできる。」
『私の為にも、無惨さんの為にも、そう簡単に、はい。で答えていいものじゃないと思うんです。』
「……お前が鬼になってもいいと思える瞬間はなんだ。」
『私が鬼になってまで生きたいと思えた時ですね。』
「少しでも、そう思わせればいいということだな?」
『そうですね、そうなります。もし、そう思った時は、貴方に全てを捧げます。』
無惨さんはなんとも言えぬ表情を見せ、そっと私に接吻をした。
「Aのような女は1000年生きた中で初めてだ。」
そう言って微笑み、消えた。
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いや、付き合ってないって言ったのに、普通にキスされたんだけど。
話聞いてた?(((
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入間(プロフ) - たくあんさん» 非常早いコメントで笑 ありがとうございます! (2020年4月27日 15時) (レス) id: faea9d84a4 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん - 完結おめでとうございますゥ(´;ω;`) (2020年4月27日 15時) (レス) id: a353fd29dc (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - ありがとうございます!! (2020年1月19日 18時) (レス) id: 41deac151f (このIDを非表示/違反報告)
入間(プロフ) - えむさん» 初めまして。ありがとうございます!出来れば更新をもっと増やして行けたらなと思います! (2020年1月19日 17時) (レス) id: faea9d84a4 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - 初めまして、突然すみませんこのお花とても面白くて大好きです!また宜しければ更新楽しみにしています! (2020年1月18日 20時) (レス) id: 41deac151f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:入間 x他1人 | 作成日時:2019年10月26日 23時