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三十三 ページ34







どのくらい経っただろうか。

誰もいない和室に閉じ込められ、僅かな振動が響く。


遺書を綴りながら息を吐いた。

ここ最近で確信したことがある。


このお腹の子は、人ではないということ。そして、無惨さんとなんらかで繋がっているということ。


今も殺気か闘意に反応してか、中で動いている。


私は、この子の影響で人を見ると食べたいと思ってしまった。

同じ道を歩んでしまいそうで、とても怖かった。

人ではない何かになる前に死んでしまいたい、そう無責任に思ってしまう。


重い足取りで襖に手をかけた。

もう、私の人生は終盤を迎える。











「……やはり、逃げるつもりか」

「強制的に閉じ込めることも可能ですが、私の血鬼術ですと重力は操れません。どう致しますか。」

「…困ったものだ。なぜ安全な場所にいない。なぜ私の命令に背く。理由はなんだ。」











無限城全体が大きく揺れたり、所々崩れたりしている。

微かに声が聞こえる。

そちらの方へ歩を進める。


目に飛び込んできたのは、最悪な光景だった。

血まみれになりながら、もう握るのも厳しい体に鞭を打ち刀を振るう、見覚えのある人達。

見たことの無い姿をした鬼。


息が上がり、全身が震えた。


ここにいない人は、どうなった?

なんでこんなことにならなくちゃいけなかった?

私がもっとなにかしていたら、助かった命もあった?


腰が砕け、へなりこんでしまう。

聞きたくない声が脳内に響く。



「どうだ、A。人間は愚かで弱い。いくら頑張ったところで所詮、叶わないのだ。」

『…ぁ、、あ、、ッぃ』

「残念だったな。仲良しごっこの奴らも死んだ。」

『ゃ、ぁ…ッ、ぃゃ…』

「救えない命は最初から決まっている。そして、勝敗も目に見えているだろう。」

『ッ、やめてッ!!』

「…そう泣くな、そこで終わりを眺めていろ。」





彼らが貴方に何をした


貴方がいなければ


貴方さえいなければ


こんなことにはならなかった


本当に許さない


貴方だけは


貴方だけは



地獄に堕ちろ






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設定タグ:鬼滅の刃 , 鬼舞辻無惨 , 転生   
作品ジャンル:アニメ
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入間(プロフ) - たくあんさん» 非常早いコメントで笑 ありがとうございます! (2020年4月27日 15時) (レス) id: faea9d84a4 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん - 完結おめでとうございますゥ(´;ω;`) (2020年4月27日 15時) (レス) id: a353fd29dc (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - ありがとうございます!! (2020年1月19日 18時) (レス) id: 41deac151f (このIDを非表示/違反報告)
入間(プロフ) - えむさん» 初めまして。ありがとうございます!出来れば更新をもっと増やして行けたらなと思います! (2020年1月19日 17時) (レス) id: faea9d84a4 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - 初めまして、突然すみませんこのお花とても面白くて大好きです!また宜しければ更新楽しみにしています! (2020年1月18日 20時) (レス) id: 41deac151f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:入間 x他1人 | 作成日時:2019年10月26日 23時

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