夕日4(浅野学秀) ページ9
「A、大丈夫？」
業が毎日放課後、見舞いに来てくれる。
「うん、いつもありがとう。業、無理して毎日来る必要ないんだよ？」
「いやいや俺が選んで来てんだから、何の問題もないっしょ」
それから雑談をした。今日はいつもより早く業が帰って行った。
業side
俺がいつもより早めに帰ったのは言うまでもない。用事があるからだ。俺は学校に戻った。お、いたいた！
「浅野ク〜ン！調子ど〜？」
「何だ赤羽か。E組が何か用かな」
浅野クンは歩いている足を止めずに話した。
「あのさ〜最近Aとどうなの？」
「そんなことか。お前には関係ないだろう」
「まさかとは思うけどさ……Aのことどうでもいいとかないよね？」
すると浅野クンは足を止めた。
「何も知らないお前が僕とAのことを言うな」
そう言うと浅野クンは再び歩いた。
それから数週間経った。俺はいつものようにAの見舞いに行った。
「何書いてんの」
Aは便箋に何かを書いていた。これは……
「遺書だよ」
やっぱり……俺の予想は当たっていた。
「みんなに死ぬこと黙ってたからさ、せめてこれくらいはしなきゃね……」
そう言ったAは疲れている様子だった。
「あとこれだけだから」
「ふー書けた」
それから時間が経ってAはベッドで横になった。
「業……またお願いしちゃっていいかな？」
Aがか細い声で言った。
「何？」
「この遺書ね……クラスのみんなに書いたの。もちろん殺せんせーや烏間先生、ビッチ先生、業にも。あとは両親。……学秀にも書いたの。業には、私が死んだ後みんなに遺書を渡してほしいの」
Aはまっすぐ俺を見て言った。その目には強い思いが宿っているのだろう。
「もちろん」
「よかった……ありがとう」
Aは微笑んだ。
「そうだ業。ちょっと疲れちゃった……飲み物欲しいな」
「オッケ〜売店で買ってくるよ」
Aの頼みを承諾して俺は売店へ向かった。
「A〜買ってき……た……⁉」
その光景を見た俺は力が抜け、手に持った飲み物を落とした。そして一筋の涙が頬を伝った。
Aが死んだ___
E組のみんなや先生達は報せを受けて病院に駆けつけた。泣いていない奴なんて誰一人としていなかった。みんなの泣き声が病室に響き渡った。
日が替わり、Aの葬式が執り行われた。E組のみんなや先生達も参列した。その中には
「来たんだね浅野クン」
「……」
浅野クンの姿もあった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「暗殺教室」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青葉 わかな(プロフ) - はるさきさん» ありがとうございます！感想と応援のお言葉をいただけると励みになります。更新のペースは遅めですが、更新するよう努力します！ (2018年5月2日 22時) (
レス) id: 8eec3ac39a (このIDを非表示/違反報告)
はるさき - 初めて読ませていただきました。カルマくんのところが特に…、応援してますね。 (2018年5月2日 18時) (レス) id: 3eeb183c96 (このIDを非表示/違反報告)
青葉 わかな(プロフ) - たこのライスさん» ありがとう！文才もクソもないけど…笑笑ほぼほぼ私の妄想の塊で業と学秀に至っては暴走だよね笑笑 (2017年12月16日 17時) (レス) id: 2a2fac34a3 (このIDを非表示/違反報告)
たこのライス(プロフ) - やっぱり良きや… (2017年12月16日 14時) (レス) id: c6b7c44c86 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：青葉 わかな | 作成日時：2017年8月25日 15時
