【d!】青春を謳歌せよ！【短編集】 (ページ1)

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会長から【gr】ページ1

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午後の光がいくらか薄れ、あたりに夕暮れの気配が混じり始めたころ、私は生徒会室に会長と共にいた。

明後日の総会で使う書類を会長が1人でまとめているところを見かけ、なにか手伝えることがないかと声をかけたのだ。普段は副会長が会長の手伝いをしているはずだが、今日は不在らしい。

パチン、パチンとホチキスの音が部屋に響く。

「…会長、いつもお疲れ様です」
「急だな」

私が労いの言葉をかければ、会長はバスの利いた声で答えた。

資料をまとめながら、会長を初めて見た日を思い出す。新入生歓迎会のときだ。在校生の代表として会長がスピーチをしたときに凄くかっこいい先輩だなと思った。

内容はうろ覚えだが、会長の声が、話し方が、笑顔が、会長の全てがキラキラ輝いていた。

「……一目惚れ、だったんだなあ」

ぽそりと呟く。

どうせ会長はホチキスで書類を纏めているから私の呟きなんて聞こえてないだろう、

そう思っていた。

「Aが一目惚れか」
「ｯ！？！？か、会長！？」
「作業するの疲れたし、Aの恋愛相談乗ってやるぞ」

そういえばさっきからホチキスの音が聞こえなかった。数十秒前の自分を殴りたい…この世から抹殺したい。

頭を抱えている私を余所に会長は椅子に座ると、腕を組んで真剣な眼差しで私を見る。

「それで、どんな奴なんだ？」

会長は、トントンか？大先生か？と生徒会のメンバーの名前をひとりひとり挙げていく。

言ってしまったら楽になるのだろうか。

でも、拒否されたら？

「やっぱり大先生か。あいつ浮気性だから気をつけろよ。あと元カノとか」
「違います！！！…違い、ます」

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