君の隣は特別 ページ45
ーハンビンsideー
"行きたいところがあるんですけど"
そう不意をつかれた言葉。
正直Aから提案されるとは思ってもなかったので、驚きと嬉しさが混ざりあって変な気持ちだ。
でも、嬉しさの方が勝ってるかな…？
車を走らせること数十分。
街並みはすっかり都会色に染っていた。
A｢ここら辺は僕が生まれた場所なんですよ｣
そう言って窓の外を眺めるA。
ソウルの中でも一際格の違う家が並ぶ場所。
そういえばAのお父さんがお医者さんで、Aも小さい頃からお医者さんになりたかったと聞いたことがあった。
出身まで完璧で、Aに持ってないものは無いんじゃないかと思い始める。
A｢この先のすぐ右にあります｣
そう言ってスタッフさんに案内しているAの横顔を何も考えずに見つめてしまう。
結構前から思ってたけど、これって"デート"なのでは？
いやいや、そんなこと考えて緊張してるのなんて僕だけだ。
隣を見ると、視線を下ろして腕時計で時間を確認しているA。
なんだかその姿だけでも様になっていて、思わず息を飲んだ。
今、隣に居るこの子を独り占めできているのだ。
そう思うとなんとも言えない優越感のようなもので満たされる。
A｢着きましたよ｣
着いた場所には、いかにも高級そうなブランドのお店があった。
僕らが中に入ると、待ちかねていたかのように店員さん達が左右に勢揃いして｢いらっしゃいませ｣と出迎えてくれる。
お金持ちっていつもこんな気分なのかな？
店員さん達は｢Aさんだあ…｣と目を輝かせていて、Aはこのお店では有名な人物らしい。
A｢ヒョン、新しい服欲しいって言ってましたよね？｣
｢あぁ、そういえば…｣
A｢僕がプレゼントします。どれでも好きなの｣
｢ええ！そんな、悪いよ｣
試しに近くのTシャツの値札を見てみると、案の定大学生でも手の出せないような代物だった。
僕が躊躇っていると、あはは！と笑い始めるA。
A｢そう言うと思ってました！笑｣
A｢じゃあ僕とお揃いのを買いましょ！それなら良いでしょ？｣
そう言ってキラキラと見つめてくるAに、僕は渋々頷くことしか出来なかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 624人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぬぬう(プロフ) - ぴさん» 自己満すぎてすみません^^;内容変えようと思ったんですが、思ったより皆さんの反応が良くて良かったです´`* (7月3日 23時) (
レス) id: 8744f24d2c (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - すごいビックリした展開だったんですけど、更新楽しみに待ってます🫶🏻 (7月2日 2時) (レス) @page25 id: d5c63dc535 (このIDを非表示/違反報告)
ぬぬう(プロフ) - 高梨アヤメさん» ありがとうございます！作ったばっかりでよく確認してませんでしたㅠㅠ (6月22日 15時) (レス) id: 8744f24d2c (このIDを非表示/違反報告)
高梨アヤメ(プロフ) - 失礼します、オリ.フラ立っちゃってますよ〜💦 (6月21日 17時) (レス) id: 945705f77e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぬぬう | 作成日時：2023年6月21日 10時
