【妖怪ウォッチ】～短編集～ (ページ5)

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殺妖事件～犯人はお前だ～ページ5

最近寒いっす。

よし妄想だ。
☆★☆
ある寒い日の朝。

土蜘蛛、大ガマそれぞれの屋敷に、
悲鳴が響いた。

in土蜘蛛屋敷

えんらえんらの悲鳴を聞き、屋敷中の
妖怪が集まってきた。

「なんだなんだ！？」

「一体何が！？」

床に座り込んだえんらえんらは、
震える指で部屋の中を示した。

部屋を覗きこんだ妖怪達は言葉を失った。

そこには、オロチ、影オロチ、光オロチの
三体が倒れていたのだ。

「…朝から騒がしいな。何事だ」

「つ…土蜘蛛様っ！」

「…む？そこはオロチの部屋ではないか」

「…お…オロチ様達がっ」

事情を聞いた土蜘蛛は
改めて部屋に目をむけた。

その時、部屋の中に入って
被害者の状態を確かめようとしていた
百々目鬼が言った。

「既に…冷たくなっている！」

in大ガマ屋敷

こちらで悲鳴をあげたのは女郎蜘蛛。

普段冷静な彼女(彼)が悲鳴をあげたため、
妖怪達はただならぬ雰囲気を察していた。

「何かありましたか！？」

かけつけた妖怪達は
女郎蜘蛛の視線をたどり、
固まった。

そこには、大ガマと大ヤモリが
倒れていたのである。

「こ…これはっ！？」

すぐさま駆け寄った妖怪達は、更に驚いた。

「つ…冷たくなっています…」

「…なんだ、なら大丈夫ね」

in土蜘蛛屋敷

「だ…大丈夫、とは？」

「オロチ達は死んでいない」

「しかし、冷たくなって…」

「冬眠だ」

「は？」

in大ガマ屋敷

「と…冬眠？」

「そう。倒れてたから驚いちゃったけど、
毎年この時期になると大ガマも大ヤモリも
冬眠するのよ。
起こしたいなら暖房の効いた部屋に
寝かせておきなさい」

in土蜘蛛屋敷

「オロチは蛇に似た妖怪だからな。
冬眠もするだろう。」

「は、はあ…」

「まあ、今のところ火急の用は無い故
無理に起こす必要もなかろう。
寝かせておいてやれ」

「…はい」

　
　
　
こうして殺妖事件は幕を閉じたのであった。